研究課題
本研究では、レーザ逆コンプトン散乱(LCS)に基づく高エネルギー電子診断装置を新たに開発し、磁場閉じ込め環状プラズマ中における相対論的逃走電子ビームの物理挙動を能動的に診断することを目的とする。平成18年度は、以下の項目について研究を進めた。1.LCS散乱光子のスペクトルの評価:LCS散乱光子のスペクトルの形状が、逃走電子のエネルギー分布の変化に対応して顕著に異なることを示し、LCS散乱光子スペクトル測定より逃走電子エネルギー分布形状の評価が可能であることを明らかにした。2.背景放射光強度の評価:逃走電子とプラズマとの相互作用により発生する相対論的制動放射光、シンクロトロン放射光、及び背景可視光(バルマーアルファ線)を源とする逆コンプトン散乱光の放射強度及び放射波長の評価を行い、主な背景放射光としては相対論的制動放射光を考慮すれば良いことを明らかにした。3.JT-60Uトカマク装置への入射光学部の開発:光源レーザ装置(YAGレーザ発振器)から発したレーザ光を、JT-60真空容器内に入射するための真空入射窓フランジ、レーザ光伝送ファイバー、ミラー/レンズ光学系、などの製作・購入を行った。4.光源レーザ装置の改造:2台のYAGレーザ発振器のうち1台について、パルス幅を従来の〜5ナノ秒から〜1マイクロ秒に伸長できるよう改造を行い、時間分解能の選択肢を増やした。5.検出装置の整備:新たにシンチレータ付きのX線検出器を購入した。また、検出器較正用として、X線発生装置を購入した。6.研究成果の発表:欧州物理学会(EPS)での発表を含め、3件の研究発表を行った。7.平成19年度の予定:光源レーザ装置、入射光学部、及び検出装置をJT-60に設置し、計測実験を開始する予定としている。
すべて 2006
すべて 雑誌論文 (3件)
Web site for the 10th meeting of ITPA topical Group on Diagnostics, Moscow, Russia, 10-14 April, 2006
Proc. the 33rd EPS Conference on Plasma Phys. Rome Italy, 19-23 June, 2006 ECA Vol.30I
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Proc. The 3rd Japan-Korea Seminar on Advanced Diagnostics for Steady-State Fusion Plasma, Matsushima, Japan, 31 August-3 September, 2006 Supplement
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