研究課題/領域番号 |
16205018
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岸尾 光二 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (50143392)
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研究分担者 |
綿打 敏司 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助教授 (30293442)
堀井 滋 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (80323533)
下山 淳一 工学研究科総合研究機構, 助教授 (20251366)
田中 功 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (40155114)
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キーワード | 磁場 / 溶解凝固 / 配向 / 高温超伝導 / 光学材料 / 熱電変換材料 |
研究概要 |
機能性酸化物材料の高機能化手法として、単結晶化や配向化が挙げられる。ただし、それらの品質は結晶性や組織・組成の均質性などによって大きく依存する。本研究では、銅酸化物系の高温超伝導、コバルト酸化物系の熱電変換材料、アルミニウム酸化物系の光学材料などの機能性材料について、強磁場による機能性向上のアシスト効果を明らかにした。結晶化手法として、浮遊帯域溶融(FZ)法を採用し、レーザーおよびキセノンランプを光源とした集光法で結晶育成を行った。 まず、Ca12Al14O33の通常の結晶育成では酸素気泡が育成結晶に取り込まれるなどの問題を抱えており、これが結晶の品質を下げる原因となっている。この育成を磁場下で行った。酸素ガスは比較的大きな常磁性を示し、磁場中で育成を行った場合、溶融帯中の酸素気泡は磁気力の方向によって気泡の挙動が変わることがわかった。つまり、結晶育成方向と逆方向に酸素の磁気力を加えると気泡の数が無磁場の場合と比べて減る。 一方、銅酸化物超伝導材料の溶融凝固過程における磁場印加効果については、ErBa2Cu3O7の一方向凝固法による溶融凝固実験からab軸に磁化容易軸をもつ材料の配向性を明らかにすることを目的にしている。今年度は無磁場下での実験に費やし、実験の再現性の確認を行った。 コバルト酸化物材料については、Bi2Sr2Co2O_yの溶融凝固実験をレーザー集光によるFZで無磁場下で行った。熱電特性、結晶性などから無磁場下での再現性を確認した。また、Ca3Co4O9については、高温廃熱発電用熱電素子としての応用を想定して、磁場配向法による配向多結晶試料の作製を行った。中性子やX線を用いた配向性評価から機械配向をはるかに凌ぐ高い配向性を示すことがわかった。
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