研究課題/領域番号 |
16205019
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
関 隆広 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (40163084)
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研究分担者 |
永野 修作 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (40362264)
竹岡 敬和 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (20303084)
生方 俊 横浜国立大, 工学研究科, 助手 (00344028)
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キーワード | 光誘因物質移動 / アゾベンゼン / 表面レリーフ形成 / ブロック共重合体 / レーザー光照射 / 偏光依存性 |
研究概要 |
光で形成されたレリーフの中に階層的にナノ構造を導入することを目的として、シリンダーとなるミクロ相分離構造を形成するポリエチレンオキシド鎖(PEO)とアゾベンゼンポリマーのブロック共重合体を用いて検討を行った。このアプローチにおいて、シリンダーの配向を光の作用で任意に操作できることがわかった。ブロック共重合体膜のμmレベルのレリーフ形状が作成できるとともに、そのレリーフ構造の中に異なる配向をもったミクロ相分離構造(ナノ構造)が階層的な組み込まれた構造が一度に形成された。光誘因物質移動によって凹凸のレリーフを作成した後、アニール等の処理を施すことで右図下の模式図に示すように、PEOのシリンダー構造(13nm径)をレリーフパターンの膜厚変化と対応させて基板面に対して、垂直および水平配向させられることがわかった。すなわち、レリーフの山部ではシリンダーは基板に対して垂直に配向し、谷部では水平に配向した。これは、数十nmレベルの膜厚では、シリンダー配向が顕著な膜厚依存性を示すことと対応する。光誘因物質移動をブロック共重合体に適用し、さらに階層的なナノ構造を光で人為的に制御しえた初めての例である。用いる干渉レーザ光の偏光状態によって、シリンダーが基板に平行になっている状態の方向も制御できることがわかった。すなわちシリンダーの面外制御(基板に対して垂直か水平か)と面内制御(基板に水平に配向した際のシリンダーの方向)の三次元的な制御が同時に達成された。
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