研究課題/領域番号 |
16205020
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能物質化学
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
福住 俊一 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40144430)
|
研究分担者 |
小江 誠司 九州大学, 未来化学創造センター, 教授 (60290904)
末延 知義 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90271030)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2005
|
キーワード | 電子移動 / 光触媒 / 超分子 / 分子認識 / 光合成 / エネルギー変換 |
研究概要 |
近年の超分子化学の発展により、非共有結合を用いた自発的な集合化による超分子集合体やデンドリマーなどの巨大分子が比較的簡便に得られるようになった。このような超分子集合体における機能に関しては、これまでに活発に研究が行われている。しかし、異なる機能を有する超分子集合体をさらに集合化することでその機能を複合した「超分子複合集合体」を構築した例は世界的にもまだない。一方、地球環境エネルギー問題を解決するために、太陽エネルギーの化学エネルギーへの変換法の開発が緊急かつ重要な研究課題となっている。本研究では、種々の超分子複合錯体を開発し、太陽エネルギーの化学エネルギーへの変換法を確立することを目的として研究を展開した。光合成反応中心モデルとして、電荷分離寿命の世界記録を次々と更新することができた。また、様々なタイプのポルフィリン集合体を光捕集アンテナ系として用い、配位結合、水素結合、π-π相互作用を利用して電子受容性分子と超分子錯体を形成させた。これにより光捕集アンテナ系と電荷分離系を初めて融合し、複数の光合成反応中心を有する人工光合成モデル系を構築することができた。配位結合形成のためにはフラーレンなどの電子受容性部位にピリジンを導入した。フラーレンはポルフィリンとの間でπ錯体を形成することができるので、配位結合と合わせることにより、非常に安定な超分子錯体を形成することができる。これらの超分子錯体を光励起すると効率的な光電子移動が起こり、超分子錯体内で電荷分離状態が生成した。この超分子錯体の電荷分離寿命は驚くほど長寿命であり、最長寿命は1.7ミリ秒にも達した。また、π-π相互作用によるポルフィリン・フラーレン超分子錯体を用いた有機太陽電池を作成し、そのエネルギー変換効率は最大で1.6%に達した。
|