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2006 年度 実績報告書

液晶性有機半導体に関する基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 16205023
研究機関東京工業大学

研究代表者

半那 純一  東京工業大学, 大学院理工学研究科, 教授 (00114885)

キーワード棒状液晶 / 円盤状液晶 / 移動度 / 電子伝導 / 有機半導体 / スメクティック相 / 電荷注入 / イオン伝導
研究概要

液晶性有機半導体のための材料設計の指針を得るため、液晶コア部及び側鎖アルキル置換基の化学構造に注目して、Biphenyl誘導体、Benzothiazole誘導体、Phenylpyridine誘導体を合成し、その電荷輸送特性をTime of Flight法による過渡光電流の測定により評価した。その結果、Sm液晶では小さな芳香族π-電子共役系をもつBiphenyl誘導体においても-10^<-3>cm^2/Vsを超える移動度をもつこと、また、Benzothiazole誘導体について、従来、行なわれていた相の同定と移動度の評価について再検討するともに、これまで報告のなかった電子の伝導を観測した。Phenylpyridine誘導体では精製が不十分であるため、現在までのところ最終的な結果を得るに至っていない。
一方、円盤状液晶物質であるphthalocyanine誘導体について、精製を十分に行なった試料の電荷輸送特性を検討した結果、従来、イオン伝導と考えられていた等方相においても10^<-3>cm^2/Vsを超える電子性の両極性伝導が観測されることを明らかにし、等方相におけるイオン伝導の起源が微量不純物による可能性が高いことを示唆する結果を得た。
さらに、液晶性、強誘電性、有機半導体としての性質をあわせもつphenylpyrimidine誘導体の電荷輸送特性について検討し、強誘電性の発現と電荷輸送特性を確認し、電場による移動度、電荷注入特性のスイッチング現象を観測した。
電極/液晶物質界面の電気特性を種々の電極を用いた電流-電圧特性の温度依存性から検討し、電荷注入が基本的にSchottky型の注入障壁によって律速されており、その障壁には固体系と同様に真空準位のシフトが寄与すること、さらに、チオールを用いたSAMによる電極材料の修飾による電荷注入特性の効果について検討した結果、SAMによる電極表面の修飾は電荷注入を促進することを確認し、その効果がSAM膜の電子準位を介した逐次的な注入によってもたらされるものであることを示した。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (6件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Electronic structure and charge injection at interface between electrode and liquid-crystalline semiconductor2007

    • 著者名/発表者名
      T.Toda, a, J.Hanna, T.Tani
    • 雑誌名

      J. Appl. Phys 101

      ページ: 24505-1-24505-6

  • [雑誌論文] チオール修飾による金電極から液晶性有機半導体への正孔注入の促進と注入機構の研究2007

    • 著者名/発表者名
      戸田 徹, 半那 純一, 谷 忠昭
    • 雑誌名

      日本写真学会誌 70

      ページ: 38-43

  • [雑誌論文] Electronic Conduction in Biphenyl Liquid Crystals2006

    • 著者名/発表者名
      K.Kurotani, A.Haruyama, Y.Takayashiki, J.Hanna
    • 雑誌名

      Chem. Lett 35

      ページ: 1194-1195

  • [雑誌論文] Hopping conduction in the columnar liquid crystal phase of a dipolar discogen2006

    • 著者名/発表者名
      H.Iino, J.Hanna, R.J.Bushby, B.Movaghar, B.J.Whitaker
    • 雑誌名

      J. Appl. Phys 100

      ページ: 043716-043719

  • [雑誌論文] 液晶性有機半導体における電極/液晶界面における電荷注入2006

    • 著者名/発表者名
      半那純一
    • 雑誌名

      日本写真学会誌 69

      ページ: 42-47

  • [雑誌論文] 非晶質から非「非晶質」へ 高品質大面積半導体材料の才良の開発に向けて2006

    • 著者名/発表者名
      半那純一
    • 雑誌名

      応用物理 75

      ページ: 843-851

  • [図書] 有機エレクトロにクスにおける分子配向技術2007

    • 著者名/発表者名
      半那純一
    • 総ページ数
      15
    • 出版者
      シーエムシー出版

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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