研究課題
基盤研究(A)
イオン性液体というイオンのみからなる液体が室温で得られるようになり、これが従来の水や有機溶媒のような分子性液体とは異なる新しい溶媒として注目されている。このイオン性液体はぐ非常に安定であると同時に高い導電率、不揮発性、不燃性、電気分解耐性などイオン伝導材料として備えるべき多くそれぞれの性質を持っている。申請者は、このイオン性液体中に高分子の原料となる種々のモノマーが溶けることに注目し、イオン性液体中でも多くのモノマーの重合が進むことを見出した。適当なモノマーを選択すると、重合後も高分子とイオン性液体が均一に混じり合い、高分子網目の中にイオン性液体が閉じ込められた「イオンゲル」ども呼ぶべき新しい高分子固体電解質が得られることを見出した。すなわち、イオン伝導材料とじてイオン性液体の持つ優れた性質に加え、固体薄膜化を可能にした。本研究ではイオン性液体およびイオンゲルの機能化に関し、以下の3点に絞り研究を展開した。1)イオン性液体およびイオンゲル中のイオンダイナミックスの解明2)非水条件下、100℃以上の温度域で安定なプロトン伝導性イオン性液体とそのイオンゲルの創製3)イオンと電子の両者が可動な混合伝導性イオン性液体とそのイオンゲルの創製すなわちイオン性液体とイオンゲルの導電機構を明らかにすると同時に、これにプロトン伝導性、混合伝導性といった機能を作り込む化学の開拓を目的として研究を進めた。その結果それぞれの研究課題に関し、次頁に示すような成果を上げることができた。
すべて 2005 2004
すべて 雑誌論文 (6件) 図書 (1件)
J.Phys.Chem.B 109
ページ: 3886-3892
Electrochim.Acta 50
ページ: 305-309
J.Photochem.Photobio.A, Chem. 164
ページ: 87-92
Macromolecules 37
ページ: 5572-5577
J.Phys.Chem.B 108
ページ: 11995-12002
ページ: 16593-16600