研究課題/領域番号 |
16206005
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
三宅 康博 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 教授 (80209882)
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研究分担者 |
永嶺 謙忠 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 教授 (50010947)
下村 浩一郎 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助手 (60242103)
松田 恭幸 理化学研究所, 岩崎先端中間子研究室, 研究員 (70321817)
松本 貴裕 スタンレー電気, 研究開発センター, 主任研究員
西山 樟生 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 教授 (50164611)
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キーワード | ミュオン / 偏極 / スピン / 超低速ミュオン / 物性 / 水素原子 / 表面 / レーザー |
研究概要 |
正のミュオンは、寿命が2.2マイクロ秒で、100%スピンが偏極しており、陽子の1/9の質量を持っている。これらの特徴を生かして、種々の材料の物性を調べるプローブとして幅広く用いられている。また、H,D,Tの軽い同位体としてそれ自身の拡散や、化学反応性がおもしろい研究の対象となり得るという特徴をも兼ね備えている。一方では、マイクロ秒オーダーのNMRと中性子散乱測定の間を埋めるタイムスケールで時間情報を得る事ができるというユニークな側面をも有している。従って、最近注目を浴びているナノ構造物質を含む表面・界面の研究、精密な原子物理の研究、触媒反応に於ける水素の役割を調べる研究にも大いに貢献でき得るポテンシャルを持っていると言える。しかしながら、その為には、もっと低速で、物質表面に止まるミュオンが不可欠で、その要望は日に日に声高くなりつつある。最近、表面ミュオンビームから、超低速ミュオンを作り出すことに成功し、いよいよ本格的な表面物性への応用も視野に入れることが可能となってきた。本研究の目的は、超低速ミュオンの特徴を生かして、ナノ構造・表面界面の磁性原子スピンのダイナミクスを調べるスピントロニクスへの展開を目指した物性研究、半導体ナノクリスタルに於ける表面水素の役割を解明する研究、金属表面での触媒反応における水素状原子の役割を解明する表面・界面科学研究等の分野において、新しい展開を図る事である。1S-2P-Unboundの遷移を用いた共鳴イオン化法によって、生成された超低速ミュオンは、スローオプティックスにより加速・輸送され、最終的に静電四重極レンズによりMCP検出器へと収束される。16年度年度当初、2次元MCPを装着し、標的に到達する超低速ミュオンビームプロファイルを詳細に測定し、最小化する条件決定を行った。この簡易実験は、装置の立体角を決めるために最も重要なプロセスとなった。これらの結果を基に、テレスコープ検出器、横磁場コイル等の各種部品の配置・設計を考慮したスペクトロメータの設計を行った。16年度中にこれらの作業を終了させ、最適化された条件を元に、超低速ミュオン用スペクトロメータのチャンバー部本体、崩壊陽電子テレスコープ、横磁場コイルを組み上げた。
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