本年度は、10^<-15>秒域の新たなモノサイクル光パルス発生法として、さらなる短パルス高出力化が望める誘起位相変調(IPM)光を利用した、光パルス圧縮の実験を行った。すなわち、30fs、800nm、1kHz繰り返し光パルスとその第2高調波パルスとを、相対遅延時間を最適にし、Ar充填ホローファイバー(3気圧、140μmコア径、37cm長)に伝播させた。ついで、発生された超広帯域コヒーレント光を、独自なフィードバックスペクトル位相制御装置(空間光変調器を利用した時空間フーリエ変換光学系、M-SPIDER光パルス波形計測系、解析・制御用電子計算機から構成されている)を用いて、チャープ補償した。2回のフィードバック補償の結果、2.6fs、1.4GW、3.6μJ、1.3サイクルのフーリエ変換限界パルス(450-975nmスペクトル幅、600nm中心波長)の発生・計測に成功した。これは可視域の単一光パルスとしては世界最短である。
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