研究課題/領域番号 |
16206017
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
三好 隆志 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00002048)
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研究分担者 |
高谷 裕浩 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (70243178)
林 照剛 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00334011)
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キーワード | 光放射圧 / レーザトラッピング / 微細加工 / カーボン / ナノ粒子 / ナノテクノロジー / 研磨加工 / フラーレン |
研究概要 |
光放射圧を利用した直径3〜5μmのシリカ微粒子制御によるナノ仕上加工技術の確立を目指し、シリコンウエハ表面に対し平滑加工特性の実験を行い、以下のような知見を得た。 (1)強制振動させた補足微粒子をシリコン基板に接近させ、その過程における振動状態の変化から接触点の位置を同定する位置決め実験を行った。その結果、接近に伴い微粒子の励振振幅が次第に減少し、最小値をとり、その後増加する現象が確認された。この応答は6nmRqの粗さまでは影響を受けず、再現性が130nmと高いため、被加工物表面と微粒子の位置決めを高精度で行うことが可能である。 (2)Rq=4.3nmの粗さを持つシリコン表面に対して平滑加工実験を行ったところ、3.8nmRqに減少し平滑化が進行することが確認された。空間周波数解析から、加工によって数十nmから数μmの空間波長の粗さが除去され平滑面が得られることが分かった。 (3)シリカ微粒子の加工ツールに振動を加えた状態で、Rq=1.9nmの粗さを持つシリコン表面に対して平滑化実験を行ったところ、1.7nmRqに減少し平滑化が確認された。また空間周波数の解析結果から、数十nmから300nm程度の空間波長の粗さが除去されていることが確認された。しかし、現状では、仕上面粗さ、加工量に対して顕著な振動効果は見られなかった。 (4)超純水の浸水によって荒らしたRq=1.8nmのシリコン表面に対して平滑化加工を行ったところ、鏡面のシリコン表面と同等な0.6nmまで平滑化を行なえることが確認された。この実験結果から、前加工面粗さにうねりのような低周波数成分がなく、高周波の粗さ成分から構成される表面に対して、鏡面加工の可能性が示唆された。
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