研究課題/領域番号 |
16206024
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
内山 勝 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30125504)
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研究分担者 |
近野 敦 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90250688)
佐藤 大祐 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40344692)
阿部 幸勇 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80261600)
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キーワード | 知能ロボティクス / 宇宙科学 / 機械力学・制御 / 知能機械 / 微小重力 |
研究概要 |
本研究では、研究代表者らがこれまで培ってきたハイブリッドシミュレーション技術を核として、前述した宇宙開発構想を実現するような、次世代に必要とされる双腕ロボット遠隔作業技術の獲得を目指す。具体的には、双腕宇宙ロボットによる構造物組立作業や軌道上での保守・保全作業を例として、これらを研究室内で再現する双腕ロボット遠隔操作作業模擬実験システムを構築する。そして、1.双腕マニピュレータおよび高機能ハンドを同時に操るマンマシンインタフェース、2.操作者の作業意図理解とそれに基づく部分的自律機能、3.動力学フィルタリングによる無反動マニピュレーションの三つの独創的な要素からなる、全く新しい次世代遠隔操作技術を開発し、微小重力環境下での作業シミュレーションにおいて、提案する新技術を検証する。 本年度は、この作業模擬実験システムのソフトウェア開発を進め、さらにこれと並行して、双腕ロボット遠隔操作システムによる作業範囲拡大を目的としたオペレータに柔軟な操作環境を提示するマンマシンインタフェースを開発することを進めてきた。具体的には、独自開発してきた6自由度ハプティックインタフェースおよびそのシステム技術を基にハンド操作デバイスを独自開発し、スイッチによる開閉動作のみが可能な現有設備のハンドとマニピュレータを器用に操作することが可能なヒューマンインタフェースの開発に取り組んだ。また、来年度以降に予定している双腕ロボットへの作業モデルおよび部分的自律機能の導入を視野に入れ、双腕ロボットの作業行動モデルの生成とそのコンピュータソフトウェアの開発、ロボットの視覚センサ、ハンド用力覚センサの利用の効率化を図ってきた。このセンサ情報と作業モデルソフトウェアの融合が提案する次世代遠隔操作技術の基盤となる。しかし、年度末に本研究の最も重要な装置である2本の7自由度マニピュレータが共に不具合を起こし、修理を行うという予期できなかった事態が起こった。この修理の際に、経年劣化による慢性的な故障の可能性を持っていること、装置の保守期間が過ぎておりメーカー側に保守部品が保管されていないことが明らかになった。この2本のアームがなければ本研究は成立せず、今後の計画遂行も不可能である。よって、本年度のヒューマンインタフェース開発費の中から購入費用を捻出し、2本のロボットアームを新規購入した。したがって、本年度は予定していた計画を完全に達成できなかったが、次年度前半に作業を行うことが可能であるので、研究計画全体への影響はない。
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