研究課題/領域番号 |
16206026
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小田 哲治 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (90107532)
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研究分担者 |
板垣 敏文 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (60242012)
小野 亮 独立行政法人産業技術総合研究所, 爆発安全センター, 研究員 (90323443)
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キーワード | 非熱平衡プラズマ / トリクロロエチレン / オゾン / ストリーマ / 直接法 / 間接法 / 比投入エネルギー |
研究概要 |
4カ年計画の初年度にあたる今年度は、大気圧非熱平衡プラズマの基礎現象の把握と低濃度トリクレン分解実験を行った。前者の成果としては、オゾン発生と初期ストリーマ・二次ストリーマとの関係を明らかにした点が挙げられる。即ち、大半のオゾンが二次ストリーマ中で生成されることをレーザ吸光法によって実験的に確認した。また、ラジカルとして、これまで観測していたOHラジカルの他に、パルス放電による酸素ラジカル(原子酸素)の発生とその時間変化を世界で初めてTALIF(2光子吸収レーザ誘起蛍光法)法によって観測することに成功した。また、NOのLIF法による2次元分布観測を進めると共にNO励起子の発光観測から窒素分子の挙動観測への糸口を見出した。また、非熱平衡プラズマの応用例としての低濃度トリクロロエチレン(TCE)分解では、直接法、間接法いずれの場合にも二酸化マンガンを触媒として用いることで分解率が大幅に増加すること、触媒なしでは、間接法の場合、分解率はほぼゼロ(1%以下)であるのに対し、プラズマが十分に強い場合、比投入エネルギーが70J/Lとすると触媒の効果で70%以上分解できることが確認できた。但し、分解生成物の大半は、依然として有機物のままある。また、直接法においては、比投入エネルギー30J/Lにおいて、触媒なしで75%、触媒入りで85%分解できることが明らかとなった。その際、触媒の有無で副産物組成に大きな相違があることも明らかになった。また、炭素を最終酸化物一酸化炭素と二酸化炭素にするには、比投入エネルギーが200J/L程度必要なことも実験的に確認できた。この比投入エネルギーの低減が今後の課題と判明し、今後の研究ターゲットとする。
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