研究課題
本研究は、光電子増倍を用いることなく、シリコンデバイスだけでフォトンカウンティングレベルの超高感度撮像を可能にする新発想のイメージング技術の実現を目指すものである。我々は、CMOS撮像デバイスのカラムにおいて、そのノイズ解析を行った結果、高利得、2段構成のノイズキャンセル回路により極めて低雑音の読み出しが可能であることを見いだした。また、その考えをA/D変換処理にまで拡張して、適応量子化相関多重サンプリング技術と呼ぶ低雑音信号読み出し方式によって、十分なダイナミックレンジ特性を得ながら、極めて低雑音の読み出しが可能であることを明らかにした。昨年度、この極低雑音信号読みだしの性能実証を目的として、0.25um CMOSイメージセンサ技術に基づき、提案する2段構成の低雑音読み出し回路のデバイスを試作し、評価を行った。昨年度の報告書に概要を報告したが、今年度その詳細な評価を行った結果、先の報告よりもやや大きいものの、49uVrmsという極めて低雑音の読み出しが行えることを示した。その成果論文は、IEEE Trans.Electron Devicesに採択されている。本年度は、さらに、ダイナミックレンジとの両立を目指して、適応積分型A/D変換方式を考案し、その基本回路の試作を行った。その結果、66uVrmsの低雑音特性を持ちながら高分解能のディジタル信号を得ることに成功し、ダイナミックレンジとしても、約83dBと線形出力としては極めて広い特性を得ることができた。
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すべて 雑誌論文 (8件)
IEEE Trans.Electron Devices (採録決定)
IEEE Journal of Solid-State Circuits vol.40, no.5
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