研究概要 |
マルチホップ無線ネットワークの本質的な欠点を克服するため,ネットワークの急所を特定し,ネットワークの信頼性を高めるためのネットワーク構造の動的制御手法の開発を行うことを目的とし以下の研究を実施した. 1.各ノードが中継を行う際の負荷のばらつきの性質や,どのようなノードに負荷が集中するのかを評価,解析し,いくつかの成果を得た.ここでは,Betweennessという指標を用いて,負荷が集中するノードを特定した.この問題を改善するための手法としてCharging/Rewarding法を適用することを考え,この手法が有効に働く状況と有効に働かない状況を明らかにした.得られた性質は,負荷分散のための機構の開発に利用できると考えられる. 2.マルチホップ無線ネットワークのノード障害とネットワーク全体の障害の関係を解析し,その関係に関するいくつかの成果を得た.得られた性質は信頼性の向上のための機構を開発するために利用できると考えられる. 3.マルチホップ無線ネットワークにおけるウイルス伝搬の特性を解析し,ノードの移動パターンとウイルス伝搬の性質の関係を解析し,いくつかの成果を得た.得られた性質は意図的な攻撃による性能低下を抑えるための機構を開発するために利用できると考えられる. 4.マルチホップ無線ネットワークを実際に構築し,実験により様々な評価指標に関してマルチホップ無線ネットワークの性能評価を行った.並行してマルチホップ無線ネットワークシミュレータを開発し,上記の研究はこれを利用した. 5.マルチホップ無線ネットワークにおけるネットワーク制御手法として,新しいチャネル割当問題,スケジューリング問題を考え,いくつかの成果を得た.
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