研究課題/領域番号 |
16206040
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
吉田 進 京都大学, 情報学研究科, 教授 (50026324)
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研究分担者 |
廣瀬 勝一 京都大学, 情報学研究科, 講師 (20228836)
川合 誠 立命館大学, 理工学部, 教授 (20314255)
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キーワード | アドホックネットワーク / マルチホップ / 無線通信 / 移動通信 / 自律分散制御 / 周波数利用効率 / 協力中継ダイバーシチ / 車車間通信 |
研究概要 |
1.分散制御アドホックネットワークでは、各ノードが自分の利益のみを考えたルート選択に走る可能性があり、そのためネットワーク全体の性能劣化が生じ得る。そこで、ゲーム理論を用いて自律分散制御により達成可能なスループットについて解析し、集中制御の場合と比較した。その結果、自律分散制御の性能は、集中制御に劣るものの、低送信電力時にはネットワーク容量に近いスループットが達成できることを明らかにした。 2.マルチホップ伝送は、サービスエリアの拡大を実現する一方、エンドツーエンド端末間のスループットを減少させる。一方、同様の効果は、適応変調・レート制御によっても得られ、両者には共通点が多々見られる。両者を詳細に比較検討した結果、マルチホップ伝送の方がより通信距離拡大効果が大きく、広域無線ネットワークの構築には、レート制御よりマルチホップ伝送の方が効果的であることを明らかにした。 3.マルチホップ伝送を利用した通信品質改善法として複数の端末に時空符号を割当てる協力中継ダイバーシチが注目されている。周波数領域等化の利用に適した時空符号と遅延ダイバーシチ協力中継及び協力空間多重伝送を提案し、その有効性を明らかにした。また、時空符号化協力中継ダイバーシチを車車間通信ネットワークに適用した結果、トポロジー(車両の相互位置関係)の変化や大型トラックによる遮蔽等に伴う伝送容量低下を大きく改善できることを明らかにした。 4.位置情報とノード密度に応じてフラッディング範囲の適応制御を行うことにより周波数利用効率を向上させたルーティング方式を提案し、その有効性を明らかにした。また、IEEE802.11無線LANを利用してユニキャスト・マルチキャストマルチホップリンクのシミュレータを構成し、種々の基本データの取得が可能となった。
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