研究分担者 |
蟹江 俊仁 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10332470)
小幡 卓司 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (20214215)
内田 賢悦 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90322833)
橋本 雄一 北海道大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (90250399)
佐藤 靖彦 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60261327)
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研究概要 |
本年度の研究で得られた主たる成果を以下に示す. (1)公共交通も含めたマルチモーダルネットワークを対象とし,道路ネットワークへの凍結防止剤最適散布量決定問題に関するモデル構築を行った.このモデルでは,道路利用者の経路選択行動だけではなく,交通機関選択行動の変化も同時に考慮し,その上で社会的費用を最小化する凍結防止剤散布量が決定される.また,構造物の耐久性および持続性を主として、システムライフサイクルの観点から検討をおこなった.すなわち,道路舗装のライフサイクルコストの最小化を念頭に置いた,道路舗装の最適修繕ルール問題に関するモデル構築を行った. (2)地理情報システム(GIS)における空間情報処理の自動化および迅速化に取り組み,国土数値情報と,住民や事業所に関する項目を含む国税調査情報および事業所統計情報を位置情報により結合させた空間分析を行うためのパッケージ開発を行った. (3)昨年度開発した一次元移動要素法を二次元問題に展開し,その定式化を図るとともに理論解との比較を実施した.対象としている構造物のイメージは,短辺方向相対二辺を単純支持された長大連続床版である.車両は,不陸を有するこの床版上を走行するものと仮定し,その結果発生する構造物の振動と応力度への影響を解析的に評価した.さらに,積雪路面をレーザースキャナーにより直接計測し,不規則不陸データを取得した.今後はこれらのデータに基づいた振動解析を実施する. (4)シラン系表面改質材を塗布したコンクリートの凍結融解抵抗性を実験的に明らかにした.すなわち,表面改質材を塗布することにより,凍結防止剤を使用する場合であっても凍結融解抵抗性が向上することを明らかにした.温度,湿度,ひずみの内部変化を計測することにより,その抵抗機構の解明を試みたが,信頼性の高いデータを得ることができず,今後の課題として残された. (5)フラクタル次元解析を適用することで,サウンドスペクトログラムに見られる周波数応答などの時間的な変化を数値的に把握することが可能であり,社会基盤鋼構造物に対する損傷度,健全度に定量的な評価を用いることも十分期待できることを示した.
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