研究分担者 |
森杉 壽芳 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (80026161)
佐々木 公明 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (10007148)
赤松 隆 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (90262964)
福山 敬 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (30273882)
河野 達仁 東北大学, 大学院・工学研究科, 講師 (00344713)
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研究概要 |
本年度は主に以下の4つの課題に関して研究を行った。 (1)地球環境変化の経済評価のためのSCGE(空間応用一般均衡)モデル:先進国では少子高齢化が問題視されるが,地球全体では人口の量的拡大と,途上国の生活質変化によるエネルギー消費の増加に伴う温暖化が懸念される。従来の気候変動モデルは経済活動シナリオを固定するが,実際には異常気象等を通じたフィードバックが無視しえない。本年度は気候モデルと経済モデルの時間・空間解像度の差を克服し,気候変動・流出モデルと組み合わせて環境変化を評価し得る準動学SCGEモデルを定式化した。(2)OLG(世代重複)モデルによる少子高齢化の都市構造への影響分析:人口減少が都市・地域構造に与える影響の分析には,OLG(世代重複)モデルが有効である。しかし通常の2世代モデルでは現実のライフサイクルを記述するには適当でない。本年度は勤労世代が少ない年少者と多い高齢者を支える,より現実的な4世代モデルを定式化し,解の性質に関する基礎的検討を行った。さらに2世代モデルに空間を導入し,アメニティ水準の異なる2ゾーンにおける年齢階層別人口分布パターンの遷移や世代別効用水準の時系列変化について分析した。(3)不確実性下のCP(中心・周辺)均衡の動学:NEG(新経済地理学)モデルでは,CP均衡を含む複数均衡の存在が示されるが,どの均衡が実現するかは明確でない。本年度は2地域間の輸送費が確率的に変動する場合に,完全予見的に行動する主体に関する長期人口移動動学モデルを定式化し,ボラティリティの増大が集積の経済を弱める方向に作用することを示した。(4)空間自己相関モデルによる実証分析:少子高齢化は,市町村財政における支出構成の変化や地価の低下を招くが,その空間分布は一様ではなく,交通・通信等の整備状況に依存する。本年度は,宮城県市町村財政と東京圏地価の時間的・空間的な相互依存関係に関して分析した。
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