研究課題/領域番号 |
16206057
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
野中 泰二郎 中部大学, 工学研究科, 教授 (60027224)
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研究分担者 |
和田 章 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 教授 (90158684)
橘 英三郎 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80029165)
河西 良幸 前橋工科大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00336489)
大野 友則 防衛大学校, システム工学群, 教授
坪田 張二 鹿島建設株式会社, 原子力部, 契約研究員
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キーワード | 衝撃 / 破壊 / 衝突 / 世界貿易センター / 局部損傷 / 爆破 / 超高層建築 / 航空機 |
研究概要 |
2001年9月11日の同時多発テロで航空機が衝突したニューヨーク世界貿易センタービルに対して、全体応答震動解析と衝突に伴う局部損傷過程のLS-DYNAによる破壊シミュレーションを遂行し、航空機衝突後即時には崩壊せず、ビルが1時間程度は自立していたメカニズムを明らかにした。 衝突や衝撃作用による局部損傷や破壊現象を、従来の連続体を対象とした有限要素法、境界要素法で追跡するには種々の困難が伴う。一方、近年の計算力学およびコンピュータの発展に伴い、従来では困難であった構造物の最終破壊現象まで精度よく追跡するための手法として開発された個別要素法(DEM)の妥当性をコンクリート構造物の局部損傷解析によって検討し、実験では計測・評価が不可能な高速現象も高精度で評価できることを確認した。 計算系としての1質点モデルによる衝撃応答の簡易評価法を提案した。異なる固有周期を有する1質点系の建物にセスナ機が衝突した場合の変位応答を,時刻歴の応答計算の他に反発係数を用いた衝突理論とエネルギー保存則に基づく方法で算定して比較した結果、衝撃荷重の継続時間が固有周期に比べて十分小さければ航空機衝突時の建物の変位応答の性状を良く捉えられることを確認した。 標準的に耐震設計された20階建の鉄筋コンクリート建物に小型機が衝突した際の構造挙動を、立体モデルの弾塑性解析で検証し、セスナ機程度の衝突では設計用の地震による応答に比べて1/10〜1/30程度の変形や力であること,衝突位置によってはかなり高次の固有周期も関与することなどがわかった。 超高層建築物において衝突または爆破が原因となり、一部の柱が破壊を生じたとき構造物全体の崩壊現象が生じるための条件と構造物の崩壊を防止するための設計法に関して研究を開始した。
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