研究課題/領域番号 |
16206060
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
長谷見 雄二 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (40298138)
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研究分担者 |
輿石 直幸 早稲田大学, 理工学術院, 助教授 (00257213)
村上 雅英 近畿大学, 理工学部, 助教授 (80190891)
畑 俊充 京都大学, 生存圏研究所, 講師 (10243099)
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キーワード | 土塗壁 / 防火性能 / 非損傷性 / 柱圧縮試験 / 壁土産地 / せん断耐力 |
研究概要 |
木造軸組土壁構法の外壁を構成する土壁及び木造床について、以下の研究を実施した。 1.柱圧縮試験による木造軸組土壁の非損傷性予測と準耐火構造土壁の基本設計 壁の防火性能3要素(遮熱性・遮炎性・非損傷性)のうち、小型試験による再現が困難な非損傷性について、耐火加熱45分による柱断面の炭化・強度減少を断面の減少に置き換えた柱圧縮試験により、準耐火構造になり得る木造土壁の設計条件を明らかにした。 2.木造軸組土壁の載荷加熱実験 木造軸組土壁の柱の受ける荷重を、柱の長期許容荷重と3階建町家の実態荷重(約5t/本)の2種類と考え、1で明らかになった設計条件について、実大規模の仕様の異なる試験体を2体製作し、載荷加熱実験を行い、45分間の耐火加熱に耐えうる木造土壁の仕様と荷重の関係を明らかにした。 3.壁土の産地・施工方法が土壁の基本物性・遮熱性・遮炎性に及ぼす影響の把握 京都、広島、秋田、滋賀、埼玉産の壁土について、各種試験を行い、物性間の相関の検討や産地間の比較を行った。その結果、粒度が細かい壁土ほど、湿潤時の粘性は高く、乾燥固化に伴う収縮及び乾燥後の強度が大きいこと、また、壁土の熱伝導率は、金属等の測定に仕様されるレーザーフラッシュ法で測定可能なことが明らかになった。 4.木造軸組土壁の耐力発現手法の開発 土壁の各耐力要素の挙動を評価するために、壁下地の異なる試験体に同一の壁土を塗り、74体の要素試験体を製作し、剪断耐力実験を実施した。その結果、土壁の剪断耐力は壁厚さに比例すること、貫のこじり耐力や隅角部の圧縮抵抗耐力には、壁厚の影響は少ないことがわかった。
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