研究課題/領域番号 |
16206062
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
七尾 進 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (60013231)
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研究分担者 |
栗林 一彦 宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 教授 (70092195)
渡辺 匡人 学習院大学, 理学部, 助教授 (40337902)
横山 嘉彦 兵庫県立大学, 工学部, 講師 (00261511)
小田 克郎 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (80177229)
正木 匡彦 宇宙航空研究開発機構, 宇宙環境利用科学研究系, 助手 (00360719)
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キーワード | 静電浮遊 / 放射光 / X線回折 / 融体 / 原子構造 / 動的構造 / 過冷状態 / 凝固過程 |
研究概要 |
本研究は、静電場試料浮遊法により融解した金属および半導体の試料に対して、放射光を用いたX線ブラッグ回折測定、小角散乱測定、異常小角散乱測定、非弾性散乱測定を行い、その過冷却液体の静的、動的な原子構造と凝固・結晶成長課程を解明することを目的としている。 本年度における研究成果は次のとおりである。 1)放射光用いた測定を効率よく行うための静電浮遊装置の設計を完了した。この設計は研究分担者(岡田、正木、渡辺匡人、栗林)が担当した。 2)静電浮遊装置の設計にあたり、正木の保有する試作装置用いてオフラインで試験融解実験を行うとともに、SPring-8のビームライン04B2に持ち込んでZrの試験的な融解実験を行い、ポート配置等、設計上の最良条件を決定した。 3)静電浮遊装置完成前の予備実験として、電磁浮遊法と放射光を用いた線回折法により、シリコンの過冷却状態の融液精密構造解析と過冷却からの結晶成長のその場観察をSPring-8 BL11XUビームラインにおいて,50keVの単色高エネルギーX線を用いて行った。この実験の結果,150K程度の過冷却度においてはシリコン融液の短距離構造はほとんど変化しないことが明らかになった。また,過冷却度50Kと160Kからの過冷却状態から結晶が析出する際の散乱X線の変化を約6Hzの時間分解能で観測した結果,過冷却度が大きくなると凝固開始直後に析出してくる結晶サイズが小さくなることが明らかとなった。 4)A1PdMn準結晶融体の融点直上における高分解能X線非弾性散乱実験をSPring-8のBL35XUにて行い。この準結晶融体のフォノン分散が通常の金属合金と大きく異なることを明らかにした。
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