研究課題/領域番号 |
16206065
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
桑原 誠 九州大学, 総合理工学研究院, 教授 (40039136)
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研究分担者 |
武部 博倫 九州大学, 総合理工学研究院, 助教授 (90236498)
藤野 茂 九州大学, 工学研究院, 助教授 (10304833)
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キーワード | チタン酸バリウム / 電気泳動電着 / フォトニック結晶 / ナノ結晶 / 強誘電性・圧電性 / ゾル-ゲル法 / 微小領域電子物性 / エピタキシャル結合 |
研究概要 |
本研究は、高濃度ゾル-ゲル法により合成したBaTiO_3ナノ結晶のサスペンションを用いた電気泳動電着(EPD)法と電子描画装置により作製したレジストモールドを用いたテンプレート法を組み合わせた全く新しい強誘電体フォトニック結晶(ナノ結晶マイクロパターン)の作製と光学特性に関するもので、平成16年、17年度の2年間において 1.高濃度ゾル-ゲル法による粒径を制御したBaTiO_3ナノ結晶の合成法の確立 2.モールド-EPD法によるBaTiO_3ナノ結晶フォトニック結晶(PC)の作製法の確立 3.BaTiO_3ナノ結晶PCの低温焼成によるBaTiO_3セラミックPCの作製 4.BaTiO_3セラミックPCの走査型電子顕微鏡(SEM)による構造評価 5.BaTiO_3セラミックPCの強誘電性・圧電特性の評価 6.ナノ結晶EPD法によるBaTiO_3ナノ結晶薄膜、マイクログリッドの作製 7.BaTiO_3ナノ結晶PCロッドの透過型電子顕微鏡(TEM)による内部構造評価 8.BaTiO_3ナノ結晶単分散サスペンションの高濃度化とエピタキシャル結合現象の可能性検討の実験項目を遂行し、目的を達する成果を得た。 最終年度の18年度は、本研究の最大の難問である液中におけるBaTiO_3ナノ結晶のエピタキシャル結合現象の確認と、エピタキシャル結合現象を利用した単結晶マイクロパターンの作製法の確立に焦点を合わせた研究を行った。結果として、Ba(OH)_2とTi(O-i-C_3H_7)_4の水-エタノール混合溶液を150℃で水熱処理することにより、数百個の30-50nmのBaTiO_3ナノ結晶がエピタキシャル結合した様子を世界で初めて確認し、また、同じ水熱条件下で高濃度ゾル-ゲル法により合成した10nm BaTiO_3ナノ結晶同士がエピタキシャル結合することも初めて確認した。この現象はまた、同じペロブスカイト構造を持つCaTiO_3ナノ結晶においても確認された。
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