研究課題/領域番号 |
16206066
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
住田 雅夫 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (30016654)
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研究分担者 |
淺井 茂雄 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (80212463)
富永 洋一 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (30323786)
伊藤 哲也 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 講師(中核的研究機関研究員)
中村 健太郎 東京工業大学, 精密工学研究所, 助教授 (20242315)
古畑 研一 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (10016587)
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キーワード | 有機ハイブリッド / 快音質 / 有機低分子 / 貯蔵弾性率 / 固有振動数 / 塩素化ポリエチレン / 低融点結晶 / 低周波吸収機能 |
研究概要 |
本年度は、快音質と比較的低周波吸収機能を有する有機ハイブリッドの構成成分として2種類の有機ハイブリッドを選定した。(1)ACR/TXY/KB系有機ハイブリッドと(2)CPE/DBS/KB系有機ハイブリッドである。ACR(アクリルゴム)とCPE(塩素化ポリエチレン)は高分子母体でありTXY(2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロパン)とDBS(N, N'ジシクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)は有機低分子添加剤である。KB(ケッチェンブラック)はVGCF(気相成長炭素繊維)と同様に高分子母体内でネットワーク構造を形成する。KBおよびVGCFの添加により、有機ハイブリッドを添付した環境において快音質や音質の整調が確認された。ACR/TXYおよびCPE/DBSはいずれも相容系有機ハイブリッドでありTXYおよびDBSの充填量によりT_gを広範囲に制御できることが分かった。これより比較的低周波域から高周波域で有効な制振特性を設計できることが初めて示された。極低周波吸音特性では、CPE/DBSの低融点結晶に起因しており、吸音周波数と高次の固有振動数がよい相関を示した。固有振動数はサンプルサイズ、弾性率などによって決まるのでサンプルの形状と粘弾性定数により吸音周波数を制御できることが明らかとなった。CPE/DBS系においては、平板の曲げ理論より導出した円盤の固有振動の式より、動的粘弾性測定により得た貯蔵弾性率を用いて固有振動数を求めた。その結果、得られた値はよく一致することが分かり、貯蔵弾性率から低周波域の吸音周波数を予測できることにつながった。
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