研究課題/領域番号 |
16206080
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
松永 三郎 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (00222307)
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研究分担者 |
中須賀 真一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (40227806)
片岡 淳 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 助手 (90334507)
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キーワード | 超小型衛星 / 天体観測 / リモートセンシング / 放射線対策 / PDA / APD / Cute-1.7+APD / PRISM |
研究概要 |
本年度は、東工大、東大ともに、数kg級超小型衛星を1機ずつ軌道上に打ち上げ、運用に成功した。これで各大学2機、合計4機を同時に軌道上運用しており、日本はもちろん世界でも前例のない快挙である。 まず、東工大では超小型衛星Cute-1.7+APDの開発を行い、2006年2月に日本のM-V-8ロケットを用いて打ち上げに成功した。ミッションは1)分離機構システムの軌道上実証、2)PDAなどの民生品を用いた衛星バス機器の軌道上実証、3)APDの軌道上実証、4)アマチュア無線デジピータサービスの提供、5)3軸姿勢決定と磁気トルカを用いた制御実験、6)超小型テザー伸展機構の軌道上実証である。現在、1は完全に成功し、2-4)を部分的に実証した。特に、APDセンサーとして宇宙における最初の動作実証を行うことに成功し、今まで観測の行われたことがない10-30キロ電子ボルトの低軌道粒子分布が初めて得られると期待される。現在、運用を継続して、貴重なデータを取得中である。 次に、東大では、CubeSat XI-IVを発展させたXI-Vを2005年10月にロシアのロケットCOSMOSで打上げに成功し、約4ヶ月にわたり運用を実施した。この中で、計画通り、打上げに向けての国際調整を行い、打上げ後は高度化した画像取得機能の確認、外部機関が開発したCIGSという新型太陽電池の軌道上実証を実施した。特に後者については放射線劣化のない良い世界初のデータが得られており、「新規技術の迅速な軌道上実証」という超小型衛星の利用法に向けて大きな一歩を踏み出せた。さらにこの衛星を発展させ30mの地上分解能を目指す次の衛星PRISMについては、姿勢制御系、C&DH系、熱・構造系など核となるバス系技術および光学系技術の開発を行い、ブレッドボードモデルの試作および一部エンジニアリングモデルの試作まで実施できた。
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