研究課題/領域番号 |
16206089
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
地球・資源システム工学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
糸井 龍一 九州大学, 工学研究院, 教授 (50108768)
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研究分担者 |
藤井 光 九州大学, 工学研究院, 助教授 (80332526)
佐々木 久郎 九州大学, 工学研究院, 教授 (60178639)
内田 洋平 産業技術総合研究所, 地圏資源環境研究部門, 主任研究員 (90356577)
田中 俊昭 九州大学, 工学研究院, 助手 (90294892)
菅井 裕一 九州大学, 工学研究院, 助手 (70333862)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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キーワード | 地中熱利用 / ヒートアイランド現象 / 岩盤冷却 / 地下水モデリング / ヒートポンプ / 温度応答試験 / シミュレーション / 電気探査 |
研究概要 |
地中熱交換井の最適設計と地中熱物性評価のために福岡市および唐津市に深度50mの熱交換井を掘削し、フィールド試験を実施した。温度応答試験では光ファイバー温度計を用いて地温分布プロファイルを測定し、地層熱伝統率分布の高精度推定法を確立した。福岡市では地中熱を用いた冷暖房実験を行い、長期運転データを取得した。試験結果および地質状況をもとに熱交換井周辺の数値モデルを作成し,最適な熱交換井長さを検討した。唐津市では床面積200m^2の冷暖房システムにおける運転データを収集し,温度応答試験と地下水流向流速測定の結果に基づいて地中熱空調のシステムモデルを作成し、長期運転挙動を予測した。また、同地では坑井掘削適地選択のための比抵抗探査を行い、坑井掘削予定地周辺での地下の比抵抗構造が明らかにして、高熱交換量が期待される地点推定の可能性を示した。 地下水の熱移流効果を考慮した地中熱利用適地選択のために秋田・筑紫・福井平野において地下水フィールド調査を行なった。立地条件や標高の異なる様々な地点において地下水を採取して一般水質および酸素水素安定同位体分析を行い、坑井内の温度プロファイルを測定した。測定データに基づいて水文環境図を作成し、地下水流動系を推定するとともに、数値シミュレーションを用いて広域的モデルを作成し、平野内における地下水流速・流向・温度の推定を可能にした。また数値モデルを地中熱利用可能量の推定に用い、地中熱利用適地マップを作成した。 秋田県比内町においては岩盤冷却による冷熱蓄熱技術の開発を行なった。緑色凝灰岩採石跡の地下岩盤中に開削された矩形空間の岩盤中に水平坑井および観測井を掘削し、水平坑井ではヒートポンプを配管で並列に接続して周辺岩盤を冷却し、空間特性の実証試験を行った。観測井においては岩盤温度変化および空間内部の岩盤表面温度などを計測し、0〜2℃の冷蔵空間を実現できることを示した。
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