研究課題
基盤研究(A)
前年度までに行われた初期実験の結果をもとに、LIDヘッド表面のタイルの補修、工学的不具合の改修および計測系の調整の後、平成16年度はLID機能の実証を目的とした実験を中心に行い、実験期間の終盤からは閉じ込め改善を目指した実験も開始した。LIDでは、磁気島に沿った粒子フローの形成がLID機能を働かせるための必要不可欠な要素となっている。粒子フローの検証実験は、排気ダクト内に設置したイメージガイド付CCDカメラとLIDヘッド上に埋め込んだ静電プローブアレイを用いて、ヘッド上の粒子束分布を計測することにより行われた。静電プローブアレイは、本補助金で購入した電源システムにより、多くのチャンネルを同時に駆動することが可能となった。これにより詳細な粒子束分布が得られ、期待通りに粒子フローが形成され、粒子がヘッドに集められていることが明らかになった。本実験と平行して行われた数値シミュレーションでも同様な粒子フローの形成が確認された。また、本年度は、粒子フロー、粒子収集とともに重要な、排気に関する定量計測システムを構築し、排気効率50%以上という初期結果を得ることができた。これは物理設計の段階で予測した値と同程度かそれ以上の値であり、LIDが高排気効率のダイバータとして機能することが確かめられた。平成16年度の実験期間の終盤からは、LIDが閉じ込め特性に与える影響を評価する実験も開始した。その結果、磁気軸を外側にシフトさせた配位にすると、通常のヘリカルダイバータ配位より閉じ込め特性の良い放電が得られることが見出された。トムソン散乱システムによる計測で、LID配位では、局所的な閉じ込めの改善を示唆する急峻な電子温度勾配が、磁気島のセパラトリックスから立ち上がっていることも明らかになった。しかし、電子密度勾配は依然緩やかで、この点を改善してゆくことが来年度以降の課題である。
すべて 2005 2004
すべて 雑誌論文 (6件)
Journal of Nuclear Materials 337-339
ページ: 155
ページ: 186
Journal of Plasma Fusion Research, SERIES 6(発表予定)
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