研究課題/領域番号 |
16206096
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
原子力学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
榎田 洋一 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 教授 (40168795)
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研究分担者 |
山本 一良 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (50023320)
澤田 佳代 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 准教授 (90372531)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2007
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キーワード | 超臨界二酸化炭素 / マイクロエマルション / 逆ミセル / 水素同位体分離 / ナノ粒子 / 超撥水 / 触媒 / 界面活性剤 |
研究概要 |
比較的濃度の低い水素同位体である重水素とトリチウムを効率的に経水素から分離する方法としては、水分子と水素分子間の水素原子交換反応における同位体効果を利用して、重水素やトリチウムを水分子に濃縮する方法が最有力であることはわかっているが、同位体交換反応の実用には白金触媒が不可欠である。現在までに実用化されている白金触媒は、球形で可燃性の高分子担体に白金微粒子を担持させたものであり、反応塔に充填した際に圧力損失が大きく、水素ガス、可燃物および白金微粒子が共存する系での安全性に問題があった。本研究では、この触媒に起因する問題を解決するため、圧力損失の小さなステンレス鋼製金網リングに化学気相法でケイ素化合物の超撥水膜を伏し、この超撥水膜の100ナノメートル程度の凸凹構造中に超臨界二酸化炭素中の高い拡散性を利用して超臨界二酸化炭素中にに溶解した白金前駆体を塗布し、白金ナノ粒子を析出させて触媒を作製し、水素に対する同位体交換反応を実現することを目的とした研究を計画通りに実施したものであり、白金前駆体のナノ構造中への塗布方法として、高価で特殊な界面活性剤を使うマイクロエマルジョン法に代替する安価な界面活性剤の適用方法を確立するとともに、新規な方法として超臨界二酸化炭素中での毛細管凝縮現象を利用する方法を案出し、実際に白金担持超撥水触媒の作製に成功した。担持された白金ナノ粒子の直径は2nm程度であった。更に、この触媒を使用して、水素分子と重水素分子間および水素分子と水分子間の重水素原子の同位体交換反応の生起を定量的に測定し、塔型反応装置を用いて、水-水素交換反応塔における同位体交換能力の定量的把握を行った。4年感の研究期間に得られた所期の成果については学術雑誌および国際会議論文合計5報に記述して公表を行い、超臨界二酸化炭素中の毛細管凝縮現象については、特許出願を行った。
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