研究課題/領域番号 |
16206097
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
川合 將義 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 教授 (10311127)
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研究分担者 |
神山 崇 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助教授 (60194982)
川崎 亮 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50177664)
山村 力 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80005363)
義家 敏正 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (20124844)
菊地 賢司 日本原子力研究所, 大強度陽子加速器施設開発センター, 次長 (70354769)
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キーワード | 材料開発 / 衝撃 / 放射線 / ターゲット / 宇宙 / セラミックス / 構造材 / ナノ材料 |
研究概要 |
衝撃と放射線に強い材料として現在利用可能なステンレス鋼やその改良された材料を対象に材料特性について調査し、本研究で開発すべき耐衝撃と耐放射線材料の開発戦略を検討した。 材料開発は、核破砕中性子源固体ターゲット材料として、放射化が問題になるタンタル被覆のタングステンに代わって、放射化の問題が少なく、また被覆材厚が薄く取れて耐衝撃性を期待できるCrN被覆のタングステン材の開発研究を行った。イオンプレーティングでのPVD法および2重ビーム法によって、安定してCrNの薄膜層を形成できた。また、宇宙材料用に高硬度・高強度・高靱性材料創製を目的として、TiN-AlN複合セラミックスの作製を試みた。これは、熱膨張係数の大きく異なるTiNとAlNを複合化させることにより、材料中に残留圧縮応力を導入し破壊靱性を向上させたものである。さらに組織の微細化が可能なメカニカルアロイングを複合化の手法として用いることにより、硬度および強度のさらなる向上も試み、評価試料を作成できた。電気化学法は、レア・アースなどの活性金属の材料直接合成、タンタル、タングステンやニオブなどの難加工性材料による耐熱被覆、ナノスケールの材料合成および加工も可能であり、フッ化物溶融塩を電解浴に用いてTaをニッケルあるいはタングステン基板上に電解析出させる場合の電解析出の機構を調べた。 材料評価については、大強度核破砕パルス中性子源で液体金属ターゲットの場合に問題となるターゲット容器の圧力波によるpitting現象とその進展について調べ、今後、容器材として開発すべき材料の機能、構成について検討した。その結果、高靭性の母材に対して、表面硬化処理をしたものが望ましいこが、硬度の違いによる微小亀裂の進展を抑える機能を持つ材料を挟み込むことが重要であり、そうした機能合金が今後の開発目標である。また、これの高機能材料の特性を左右するナノ構造を中性子と放射光で評価する方法についても検討した。さらに、陽電子消滅法により鉄-銅中の点欠陥量の評価や、ボイドを含むニッケルの水素吸蔵・放出挙動を調べた。 そして、当科研費研究の中間報告として、1月27,28日に研究会を開催し議論した。
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