研究課題/領域番号 |
16207004
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
竹井 祥郎 東京大学, 海洋研究所, 教授 (10129249)
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研究分担者 |
兵藤 晋 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (40222244)
井上 広滋 東京大学, 海洋研究所, 助手 (60323630)
宮野 悟 東京大学, 医科学研究所, 教授 (50128104)
坂内 英夫 東京大学, 医科学研究所, 助手 (20323644)
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キーワード | ナトリウム利尿ペプチド / グアニリン / アドレノメデュリン / 体液調節 / 分子進化 / バイオインフォーマディクス |
研究概要 |
平成16年度では、新しい浸透圧調節ホルモンとしてナトリウム利尿ペプチド(NP)、グアニリン(GLN)、アドレノメデュリン(AM)において大きな発展があった。 (1)7種のホルモンから構成されるNPファミリーにおいては、その祖先分子がCNP-4であることを、最も原始的な脊椎動物(円口類)のNPを同定することにより明らかにした。また、円口類や板鰓類では1種しかないNPが、硬骨魚類(軟質類や真骨類)においてファミリーとして大きく多様化したが、心臓ホルモンであるANR, BNR, VNP遺伝子は、同一染色体上でCNP-3の縦列重複により生じたことを明らかにした。 (2)ウナギで同定した3種のホルモンからなるGLNファミリーに関して、2種の受容体(GC-C1と2)を同定し、それらを培養細胞で発現することにより、各受容体がGLNファミリーのどのリガンドに特異性が高いかを明らかにした。GLNやその受容体は消化管と腎臓に特異的に発現しており、その発現レベルはウナギを海水に移行させると大きく増加するため、これら浸透圧調節器官において傍分泌的に作用する重要な浸透圧調節ホルモンであることが期待できる。 (3)AMは哺乳類では1種しか知られていなかったが、フグで5種のパラログからなるファミリーを形成することを明らかにした。また、東工大の広瀬研究室と共同で、複数のAM受容体(3種のカルシトニン受容体様受容体と5種の受容体活性修飾ペプチドとの複合体)を同定した。いっぽう、魚類のAM配列を参考にヒトやマウスのゲノムから新しいAM(AM2)を同定した。フグは10%から150%海水まで広い塩分濃度によく適応する魚種であり、5種のAMの浸透圧調節作用を調べていくためにすぐれた実験動物であることがわかった。
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