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2006 年度 実績報告書

蛋白質の柔らかいダイナミクスの機能発現

研究課題

研究課題/領域番号 16207008
研究機関名古屋大学

研究代表者

笹井 理生  名古屋大学, 大学院工学研究科, 教授 (30178628)

研究分担者 高野 光則  早稲田大学, 理工学術院, 助教授 (40313168)
キーワード粗視化シミュレーション / 機能ファネル / 主成分分析 / エネルギーランドスケープ / 分子モーター
研究概要

18年度は3年間のまとめを行い、以下のような研究の進展について総括した。
(1)フォールディング研究で開発されたシミュレーション法を拡張して適用した。この方法をアクトミオシンに適用し、ミオシンがアクチンフィラメント上を動く機構を分析し、レバーアーム的な運動を示すもの、偏ったブラウン運動に相当するすべり運動を示すものなどが混在していることが示された。
(2)Goモデル、および類似のモデルを用いて蛋白質のフォールディング過程を分析した。とくに、対称性の高い天然構造へのフォールディング経路は複数あり、そのどちらが選ばれるかは、実験または計算条件によって敏感に変化することを見出し、フォールディングの高次元座標空間を低次元のオーダーパラメータ空間で理解するときの論理を明らかにした。
(3)機能ファネル理論の展開:統計力学的モデルによりPhotoactive Yellow Proteinにおけるシグナル伝達機構を分析した。
(4)蛋白質立体構造形成過程のシミュレーションを行い、国際的な立体構造予測コンテストであるCASP7に参加し、いくつかの蛋白質については上位の成績を占めた。
(5)配列選択シミュレーションを行った。ランダム配列から始めて機能に関する選択を行うことによって、フォールディング能力が獲得されることを示したほか、得られた配列のフォールディング過程(個体発生)と選択による構造形成過程(系統発生)の間に相関があることを示した。
(6)ナノメートルサイズの疎水的溶質としてカーボンナノチューブを取り上げ、溶質のまわりの水和構造を分子動力学計算を用いて分析した。溶質の空間的配置の効果の重要性を明らかにした。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007 その他

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Modulation of the reaction rate of regulating protein induces large morphological and motional change of amoebic cell2007

    • 著者名/発表者名
      S.I.Nishimura, M.Sasai
    • 雑誌名

      J. Theor. Biol. 245・2

      ページ: 230-237

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Fluctuating hydration structure around nanometer-size hydrophobic solutes II - Caging and drying around single-wall carbon nanotubes -2007

    • 著者名/発表者名
      T.Hotta, M.Sasai
    • 雑誌名

      J. Phys. Chem. C 111・7

      ページ: 2861-2871

  • [雑誌論文] Violation of the fluctuation-dissipation theorem in a protein system

    • 著者名/発表者名
      K.Hayashi, M.Takano
    • 雑誌名

      Biophys. J. (印刷中)

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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