研究課題/領域番号 |
16207009
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
加藤 茂明 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (60204468)
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研究分担者 |
武山 健一 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (30323570)
高田 伊知郎 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (50361655)
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キーワード | 転写共役因子 / 染色体構造調節因子複合体 / ATPase / WINAC複合体 / DNA複製活性 / DNA修復能 / 核内受容体群 |
研究概要 |
転写制御において最も中心的な役割を果たすと考えられている転写共役因子及び染色体構造調節因子複合体について、クラスの異なる3つの転写制御因子(NF-κB、核内受容体、ダイオキシン受容体)を材料として、本年度は下記の課題に焦点を当て研究を進めた。 1.新たな染色体構造調節因子群複合体の同定:染色体構造調節因子は単独で作用することなく、巨大複合体として機能する。現在までに染色体構造調節因子複合体として精製及び同定に成功した例ではHeLa細胞核抽出液もしくは酵母あるいはショウジョバエ胚核抽出液からの複合体精製による。これら複合体は、特にATPaseを主要な構成因子としているので、既知ATPaseと同一のファミリーに属する因子を標的に複合体を精製し、次にin vitro転写系及びクロマチンヌクレオソーム再構成系を用いることで、HeLa細胞核抽出液から複合体を単一まで精製・同定した。 2.WINAC複合体の機能解析:WINACは、ビタミンD受容体(VDR)に直接相互作用する巨大複合体として見出された。WINAC複合体には、DNA複製関連因子群や転写伸長因子群も含まれており、転写制御のみならず、DNA複製やDNA修復の過程において、この複合体が重要な役割を果たすと予想される。そこで、SWI/SNF複合体構成因子群とこれらの因子との機能的物理的相互作用の関連について詳細に解析し、それら生化学的データを基にWINAC複合体の立体的な機能領域の同定を試みた。 3.転写制御因子と会合する新たな染色体構造調節複合体の同定:WINACは核内受容体と直接会合することで、染色体構造を調節することが明らかとなった。そこで、染色体構造調節を伴うことが示唆されている他の核内受容体群(AR、ER、RAR/RXR、PPARγ)ととも炎症性転写制御因子NF-κB、bHLH型転写制御因子(AhR)等に直接会合する染色体構造調節複合体群を生化学的に検索・同定した。
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