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2004 年度 実績報告書

脊椎動物の呼吸器官形成初期過程の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 16207015
研究種目

基盤研究(A)

研究機関名古屋大学

研究代表者

黒岩 厚  名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20134611)

キーワード食道呼吸器官原基 / 背腹極性 / Shh / Fgf10 / トランスジェニックマウス / 発現調節 / Hoxb-6 / EphA4
研究概要

1.食道呼吸器官原基の背腹極性に関わる分子機構:Shh標的遺伝子破壊マウスホモ接合胚の食道呼吸器官原基では、背側中胚葉において増殖の低下と細胞死の増加が認められた。ニワトリ胚New culture系でShhシグナル系の遮断薬であるサイクロパミンを作用させると、やはり背側中胚葉で増殖の低下と細胞死の増加が観察された。内胚葉で発現しているShhは、食道呼吸器官において特に背側中胚葉の増殖維持に必須な組織間相互作用因子として機能していることが明らかになった。
2.Fgf10発現調節に関わるシスエレメントの同定:Fgf10ゲノムDNA断片にLacZレポーターを連結し、これを用いてトランスジェニックマウスを作成して発現調節エレメントの同定を行った。第一エクソンを含む約30Kb領域には肢芽間充織における発現調節エレメントが同定された。Fgf10遺伝子を含み約250KbをカバーするBACクローンを用いて同様の実験を行ったところ、肺芽でのレポーター遺伝子の発現が確認され、このBACクローン中には肺芽特異的なエンハンサーが肢芽エンハンサーとは独立して存在することが確認された。今後はさらに肺芽エンハンサーを持つ領域の同定を継続して行う。
3.肺芽突出位置指定とHoxb-6:初期過程でHoxb-6発現ドメインと後部の発現ドメインがオーバーラップし、Hoxb-6により発現抑制を受けるEphA4の機能について、食道呼吸器官原基で異所的発現を行ったところ、新たな発現境界で異所性のFgf10発現が誘導された。このような現象はドミナントネガティブ型のEphA4を本来の発現ドメインで強制発現したときにも観察された。EphA4は発現境界においてリガンドであるephrinと相互作用し、細胞内へのシグナル伝達系を介してFgf10発現調節を行っていることが示唆された。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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