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2007 年度 実績報告書

脊髄動物の呼吸器官形成初期過程の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 16207015
研究機関名古屋大学

研究代表者

黒岩 厚  名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20134611)

キーワード食道呼吸器官 / トランスジェニックマウス / Fgf10 / 転写調節 / エンハンサー / 背腹極性 / マイクロアレイ / 遺伝子発現
研究概要

1.BACレポーターを用いた解析で明らかにされた肺芽特異的エンハンサーを含む100Kbの領域について、これを6分割しFgf10プロモーター及び転写開始点からその上流11kbの領域を含むレポーターとのコインジェクションによるトランスジェニックマウスでの解析を行った。その結果第一イントロンの48Kb領域に肺芽特異的エンハンサーが存在することが明らかになった。現在さらにエンハンサー領域を特定中である。
2.肺芽と肢芽はFgf10が共通して発現し、これら器官の誘導と成長に必須な因子となっているばかりではなく、レチノイン酸やWnt等両者の誘導に関わる因子群も共通していることが知られている。当研究室ですでに肢芽の誘導時特異的エンハンサーが同定されているため、進展が相対的に速い肢芽での研究は肺芽形成の研究にも直接役立つと考えられる。上記の肺芽エンハンサーの一部を含む可能性があり、肢芽特異的エンハンサーとしても機能する領域を進化的保存性の高い53塩基対にまで狭めた。この領域にはWntシグナル伝達系の下流で機能する転写因子LEF1と、核レチノイン酸受容体が結合することが明らかとなり、このエンハンサーエレメントがこれらの誘導シグナルの統括的センターとなっている可能性が示された。
3.消化呼吸器官原基の背腹で発現の差がマイクロアレイ解析で見いだされた転写因子やシグナル因子について、insitu hybridizationによりさらに検定を行った。Wnt2はFgf10が発現する呼吸器官原基の腹側特異的な発現が認められた。また、マイクロアレイにより腹側特異的発現予測された転写調節因子のうちGATA4,NrC1,Asb4,Etv1が肺芽間充織での特異的発現が確認された。未解析の遺伝子の発現パターンや経時的な遺伝子発現パターン変化についても現在解析を進めている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Foregut endoderm is specified early in avian development through signal(s)emanating from Hensen's node or its derivatives2008

    • 著者名/発表者名
      Matushita S.
    • 雑誌名

      Mechanism of Development 125

      ページ: 377-395

    • 査読あり
  • [学会発表] Fgf10における領域特異的発現を調節する制御領域の解析2007

    • 著者名/発表者名
      田中 亜由美
    • 学会等名
      日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2007-12-13
  • [学会発表] ゼブラフィッシュ原腸陥入期における内胚葉細胞の移動機構2007

    • 著者名/発表者名
      溝口 貴正
    • 学会等名
      日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2007-12-13
  • [学会発表] ゼブラフィッシュにおける内胚葉特異的な細胞移動2007

    • 著者名/発表者名
      溝口 貴正
    • 学会等名
      日本発生生物学会年会
    • 発表場所
      福岡国際会議場
    • 年月日
      2007-05-28

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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