研究分担者 |
古賀 俊策 神戸芸術工科大学, 芸術工学部, 教授 (50125712)
近藤 徳彦 神戸大学, 発達科学部, 助教授 (70215458)
上田 博之 大阪信愛女学院短期大学, 人間環境学科, 教授 (00203448)
平田 まり 大阪国際大学, 人間科学部, 教授 (90173244)
久保田 豊司 大阪国際大学, 人間科学部, 助教授 (10186455)
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研究概要 |
(1)縦断的検討:高齢者における発刊反応の10年間の経年的変化を検討するため,4名の高齢者(72〜81歳)に対し,5年・10年前と同様に35℃環境下で下肢温浴を60分間負荷した.その結果,これまで我々が主に横断的研究結果に基づき報告してきた「汗腺機能の老化は,単一汗腺にあたりの汗出力→活動汗腺数と順次低下し,その一連の加齢的低下は,全身同等ではなく下肢→躯幹後面→躯幹前面→上肢→頭部と進行する」ことが縦断的にも支持された.汗腺機能の老化がより進行した最近の5年間で発汗量および単一汗腺あたりの汗出力の増加が前額で観察された.この増加は,末梢性の老化を発汗中枢からのover driveで代償するために生じたものと推察される.さらに,この5年間グランドゴルフに3〜4回/週参加した被験者の結果から,70歳以上の者でも運動トレーニングにより発汗機能の亢進が十分期待できることが示された. (2)非温熱性熱放散反応:非温熱性熱放散反応が発育・老化でどのように修飾されるのか検討するため,35℃環境下での60秒間のアイソメトリックハンドグリップ(IH)運動時における発汗・皮膚血管反応を思春期前児童(10名)vs.若年成人(13名)および高齢者(10名)vs.若年成人で比較検討した.発育に関して,筋の代謝受容器からの非温熱性入力に対する熱放散反応は思春期前の子どもで未発達であり,その傾向は皮膚血管反応より発汗反応で顕著だった.IH運動時に観察された子どもの小さな非温熱性熱放散反応は,筋の代謝受容器入力に対する反応性の未発達さand/orセントラルコマンドおよび筋代謝受容器以外の小さな非温熱性入力に起因することが推察された.さらに,IH運動時の非温熱性熱放散反応は老化に伴い減弱し,その減弱は発汗反応よりも皮膚血管反応で顕著だった.老化に伴う非温熱性熱放散反応の減弱には身体部位差が存在し,特に筋の代謝受容器からの入力に対する発汗・皮膚血管応答が大腿で減弱する傾向だった.
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