研究分担者 |
古賀 俊策 神戸芸術工科大学, 芸術工学部, 教授 (50125712)
近藤 徳彦 神戸大学, 発達科学部, 教授 (70215458)
上田 博之 大阪信愛女学院短期大学, 人間環境学科, 教授 (00203448)
平田 まり 大阪国際大学, 人間科学部, 教授 (90173244)
久保田 豊司 大阪国際大学, 人間科学部, 教授 (10186455)
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研究概要 |
本年度は,熱放散反応の発育・老化特性の生物学的意義を解明するため,次の2実験を実施した. 1)高齢者における膝伸展運動時の大腿動脈血流量 これまで我々は熱放散反応の老化は全身同等ではなく,下肢から始まることを見出している.本年度は,熱放散反応からみて老化の引き金となる下肢の皮膚血流量の低下が大腿動脈血流量の抑制と関連するのか否か検討した.すなわち本研究では,高齢者(O群)と若年成人(Y群)に膝伸展運動〔O・Y群:0,10,20,30W ; Y群のみ40W〕を負荷し,その際の大腿動脈血流量を超音波ドプラー法で測定し,両群間で比較検討した.その結果,本研究で用いた負荷強度の範囲内における膝伸展運動では,老化は大腿動脈血流量の増加を抑制しないことが示唆された.しかし,老化は大腿動脈血流量を保持するための規定因子には影響し,高い血管抵抗を血圧の大きな上昇で代償することが示唆された. 2)運動時における子どもの発汗量と直腸温 多量発汗が予想される夏季のスポーツ活動時においても,これまで我々が見出してきた子どもの未発達な発汗機能が観察されるのか否か検討した.すなわち,少年野球・ミニバスケットボール練習時の小学生男子(5〜6年生)およびソフトボール・テニス練習時の女子大学生の各種データを測定した.その結果,若年成人に比し,子どもは軽度な外的または内的温熱刺激下でスポーツ活動していたにも関わらず,平均直腸温は有意な高値を示した.しかし,総発汗量(g/m^2/h)には有意な年齢差はみられなかった.この結果は,子どもにおける同一直腸温あたりの発汗量が少ないことを意味し,「思春期前の子どもが未発達な発汗機能を有する」ことを報告した我々の先行研究結果を支持した.
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