研究課題/領域番号 |
16208001
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
三上 哲夫 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (50133715)
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研究分担者 |
久保 友彦 北海道大学, 大学院・農学研究科, 講師 (40261333)
小野寺 康之 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助手 (80374619)
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キーワード | テンサイ / 稔性回復核遺伝子 / 細胞質雄性不稔性 / ポジショナルクローニング / ミトコンドリア局在性 / Rf1遺伝子 / BACコンティグ / PPRモチーフ |
研究概要 |
今年度は、テンサイの雄性不稔原因ミトコンドリア遺伝子の働きを抑え、花粉稔性を回復する核遺伝子Rf1のクローン化を中心に研究を進めた。得られた成果は次の通りである。 [1]Rf1遺伝子座周辺の連鎖地図とRf1を含むBACコンティグを作成した。約500個体から成る雄性不稔分離集団を用いたマッピングを通じて、Rf1が2個のCAPSマーカーmCP-A54およびL6に挟まれる260kb領域に位置することが判明した。 [2]この260kb領域をカバーする2個のBACクローンおよびこれらと重複する架橋コスミドクローンを選んで、ショットガンシーケンスを行った。決定した塩基配列データをもとに、GenescanによるORF予測を試みた。その結果、28個のORFがみつかった。 [3]Rf1は葯で発現するミトコンドリアタンパク質をコードするものと考えられる。今回見出した28個のORFについて、葯における転写の有無を調査した。その結果、14種のORFの転写産物が葯組織で実際に蓄積していることが明らかとなった。 [4]そのうちの1つ、ORF16は6個のエキソンで構成され、pentatricopeptide-repeat(PPR)モチーフを有するタンパク質を産生する。ペチュニアやイネなどで最近同定されたRfは共通にPPRモチーフを含んでおり、ORF16がテンサイRf1である可能性が先ず考えられた。 [5]ORF16のN末端配列とGFPとの融合遺伝子を作り、タマネギ表皮細胞で一過的に発現させた。その結果GFP蛍光はプラスチドに局在し、ORF16はRf1ではないことが立証された。
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