研究課題/領域番号 |
16208002
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
長戸 康郎 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 教授 (10143413)
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研究分担者 |
草場 信 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 助教授 (20370653)
伊藤 純一 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 助手 (30345186)
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キーワード | イネ / シュート / 葉間期 / 葉序 / 背腹性 / 変異体 / 茎頂分裂組織 |
研究概要 |
本研究は、モデル植物かつモデル作物であるイネを材料とし、葉の発生に関わる遺伝的メカニズムを明らかにすることによって、シュートの形態形成を制御し、自在にデザインするための基礎を構築することを目的とした。 茎頂分裂組織の分化制御機構については、発芽後茎頂分裂組織が扁平化し、枯死するflattened shoot meristem (fsm)変異体の解析を進め、その原因遺伝子はchromatin assembly factorをコードし、細胞分裂G1期で発現することを明らかにした。fsm変異体では、細胞周期が長くなるにも関わらず、葉間期は変わらないため、茎頂分裂組織の細胞が葉原基に消費され、消失すると考えられる。 葉が向軸化するadl1の原因遺伝子は、カルパイン様タンパクをコードし、情報伝達に関与すると考えられる。興味深いことに、胚の頂部領域の欠損によりシュートが欠失するshootless3は、ADL1のシビアなアリルであった。 pla2変異体の原因遺伝子はRNA binding Proteinをコードする遺伝子で、茎頂分裂組織ではなく、葉原基で発現していた。変異体では葉の成熟が早くなっており、PM2の直接の機能は葉の成熟速度の制御であると考えられる。pla2だけでなく、他のpla変異体においても葉が早熟になっており、いずれも植物ホルモンのABA減少していることから、ABAが葉の成熟速度、葉間期の制御に関わっていると考えられる。 fib変異体は、維管束の減少、細葉、矮性など多面的な異常を示すが、オーキシンの極性輸送の低化が原因であると考えられた。機能不明なタンパクをコードし、主に維管束で発現していた。シロイヌナズナの相同遺伝子の変異体もオーキシン極性輸送の変異体と同様の表現型を示すので、FIB遺伝子は、オーキシン極性輸送の新規の因子であると思われる。
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