研究課題/領域番号 |
16208004
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
寺岡 徹 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究院, 教授 (60163903)
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研究分担者 |
有江 力 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究院, 助教授 (00211706)
鎌倉 高志 東京理科大学, 理工学部, 助教授 (70177559)
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キーワード | イネいもち病 / 病原性 / 交配型 / 遺伝子 / 遺伝子破壊 / 付着器 / 感染 |
研究概要 |
(1)我々が構築したdifferential cDNA libraryから、付着器形成時に特異的に強く発現している病原性関連候補遺伝子として、FMI1(Functional gene of Magnaporthe Infection 1;クローン#B19)、FMI2(クローン#B48)、MGH61A(Magnaporthe Glycoside Hydrase family 61A;クローン#B59)を選抜し、本年度も引き続き、それら候補遺伝子の構造解析、ゲノム解析を行い、当該遺伝子の破壊株を作出して、付着器の形態形成ならびにイネ葉への感染過程における機能を解析した。いずれも既報の遺伝子と高い相同性を示すものはなかったものの、部分的にいくつかのドメインを保持していた。FMI1はN末端にセリン残基に富んだ配列と核局在性シグナル様配列をコードし、そのC末端側にsucrase/ferredoxinと部分的相同配列をコードしていた。当該遺伝子の破壊株は付着器形成の異常、侵入の遅延をもたらした。FMI2はdual specificity phosphataseの活性ドメインを一部コードしていた。当該遺伝子破壊株は付着器形成の異常をもたらしたが、両遺伝子とも顕著な病斑形成能の低下はもたらさず、その発現も接種後3〜4日以内の肉眼的病斑形成以前に限られていた。MGH61Aはシグナル配列を持つ分泌型タンパク質で、5'側の一部にglycosie hydrase family61と相同性の高いドメインを保持していた。当該遺伝子の破壊株は付着器形成、侵入、病斑形成の低下をもたらした。 (2)ベトナムを中心として盛会各地で分離されたイネいもち病菌の病原性レースと交配能について、自然交配能を有する雲南産ならびにアメリカ産イネいもち病菌を基準に調査したところ、ベトナム菌株は病原性レースは多様性に富むものの、交配能を保持している菌株は見いだせなかった。ただ、今まで報告されたことのない二本鎖RNAウイルスを見出した。本ウイルスは容易に水平移動し、いもち病菌の生育、病原性を低下させた。
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