研究分担者 |
石川 幸男 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (60125987)
星崎 杉彦 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (10270894)
吉安 裕 京都府立大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (90038315)
本田 洋 筑波大学, 農林学系, 助教授 (90126160)
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研究概要 |
1.アワノメイガ属ノメイガの系統と進化の解明 (1)ゴボウノメイガのミトコンドリアDNA地理的変異を日本の13地点で調べた.CO2遺伝子塩基配列には13個のハプロタイプが認められ,6系統にまとめられた.これらに姉妹関係は認められなかったが,西日本個体群と東日本個体群の分化が示唆された.(2)フキノメイガの性フェロモン生合成系を解析した.本属に共通のフェロモン成分Z11-14:0Ac生成ではパルミチン酸からの炭素鎖短縮,Δ11不飽和化の順であるのに対し,本種特異的な成分Z9-14:0Acではパルミチン酸のΔ11不飽和化後に炭素鎖短縮が生じ,その結果本種に特異的なフェロモンブレンドが生成すると推定された.(3)アワノメイガの超音波シグナル-超音波受容を調べた.雄が交尾時に出す超音波シグナルは30-80kHzでその波形は種特異的な周期的パルスパターンであった.シグナルの受容は雌の交尾行動に影響しており,聴覚神経の超音波受容特性を調べたところ,最も感度の高い周波数は本種のシグナルの周波数帯とほぼ一致した. 2.Dichocrocis属ノメイガの生殖隔離と性フェロモン カクモンノメイガの室内大量飼育法を確立し,羽化時刻,コーリング時刻等交尾行動に関する基礎知見を得た。GC, GC-EAD, GC-MS分析の結果から雌フェロモンは少なくとも2成分から成る炭素数18の直鎖脂肪族不飽和化合物であると推定された。 3.ニカメイガにおけるイネ個体群とマコモ個体群の分化 従来,両者は寄主植物のほか交尾時刻と性フェロモンに違いが認められていたが,形態的差異は体サイズ以外に知られていなかった.そこで新たに雄成虫の形態測定値を多変量解析により解析したところ明らかな差異が検出された.
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