研究分担者 |
石川 幸男 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (60125987)
星崎 杉彦 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (10270894)
本田 洋 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (90126160)
吉安 裕 京都府立大学, 大学院・農学研究科, 教授 (90038315)
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研究概要 |
■アワノメイガ属ノメイガの系統と進化: 遺伝子解析:ミトコンドリアDNA遺伝子COIIの塩基配列から,ゴボウノメイガ6系統が西日本と東日本に分化していること,ウスジロキノメイガ種群2種の分化は比較的最近(約30万年前)に生じたことを示した. 性フェロモン生合成と受容:フキノメイガ特異的成分がユニークな経路で生合成されること,アズキノメイガのΔ11-不飽和化酵素遺伝子の発現部位が性フェロモン腺特異的であること,Δ11成分を持つアズキノメイガとΔ12成分を持つアワノメイガでは同じ2種不飽和化酵素遺伝子を発現するが,翻訳以後に異なる抑制を受けることを示した.フェロモン腺特異的脂肪酸還元酵素(FAR)遺伝子を探索し,FAR様配列を持ちフェロモン腺特異的発現をするものの全長配列を確認した.アズキノメイガ雄触角から複数のフェロモン受容体遺伝子候補をクローニングし,アフリカツメガエル卵を用いた機能検索を試みた. アワノメイガ雄の超音波:アワノメイガ雄が30-80kHzの種特異的パルスパターンをもつ超音波を出し,雌は雄の出す周波帯に高い感度を示すことを示した.解剖と行動実験から前翅と胸部の特殊な鱗粉が擦れ合って超音波を生じるという世界初の知見を得た.超音波の生態的機能を行動実験から考察した. ■ニカメイガのイネ個体群とマコモ個体群の分化: 雄成虫交尾器の形態測定値の多変量解析により,従来未知の両系統間の形態的差異を検出した.両系統間の交尾時間帯の明確差異は両者の生殖的隔離に機能するとされてきたが,両者が同所的に生息するつくば市個体群では両者間に交尾時間の差が見られず,隔離機構の発達に別の要因が作用した可能性を示した.
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