研究課題/領域番号 |
16208007
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
柳沼 利信 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (60135332)
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研究分担者 |
新美 輝幸 名古屋大学, 大学院・生命農学研究, 助手 (00293712)
池田 素子 名古屋大学, 大学院生命農学研究, 助教授 (20262892)
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キーワード | カイコ / 休眠ホルモン / 休眠ホルモン受容体 / 休眠誘導 / 休眠開始 |
研究概要 |
1.休眠ホルモン(DH)受容体の機能解析 (1)アフリカツメガエル卵母細胞発現系を用いてDH受容体の機能解析を更に進めた。特に、生体内で活性をもたないDH-COOHが、この発現系でも卵母細胞内にDHシグナルを伝達しないことを確認し、DH特異的受容体であることを示した。 (2)Small RNAiと特異的抗体施与によるDH情報の伝達阻害効果を非休眠卵産生への変換から検討したが、実験個体総てに効果を見出すまでには至らなかった。投与時期、dsRNAの種類およびtransfection試薬等の検討が引き続き重要となった。 2.休眠ホルモン情報の伝達系の解析 (1)DHによる遺伝子活性化が認められる可溶型trehalaseと膜貫通型trehalase遺伝子の比較のため、膜貫通型trehalase遺伝子の構造を明らかにした。 (2)可溶型trehalase遺伝子と比較することで、いくつかの共通するエレメントを見出した。 3.休眠ホルモン情報の執行(休眠開始)に係わる因子・遺伝子の機能解析 (1)ヒト酸化抵抗性遺伝子1のカイコhomolog(BmOXR1)の機能をキイロショウジョウバエで引続き検討した。ハエ雄成虫でBmOXR1は酸化抵抗性活性を示し、かつ、雄成虫寿命を約20%拡大させた。 (2)少なくともハエの唾腺細胞ではBmOXR1は核内にも存在した。 (3)BmOXR1に対するdsRNAをカイコの初期卵に注射することで、休眠性卵内のBmOXR1発現量を減少させることが可能となった。カイコ卵でのBmOXR1遺伝子の機能解析の端緒を開いた。 (4)休眠回避に有効であるHC1処理によって卵内から消失するタンパク質を同定した。これらのタンパク質が休眠開始に係わるものと考えられ、アミノ酸配列解析を進めている所である。
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