• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2004 年度 実績報告書

放線菌の線状ゲノムの構造と機能の多様性

研究課題

研究課題/領域番号 16208010
研究種目

基盤研究(A)

研究機関広島大学

研究代表者

木梨 陽康  広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 教授 (80224997)

研究分担者 荒川 賢治  広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助手 (80346527)
キーワード放線菌 / 線状プラスミド / 線状染色体 / ゲノム再編成 / 抗生物質 / ランカサイジン / ポリケチド / 生合成
研究概要

1.放線菌の線状ゲノムの構造及び再編成機構の解析
Steptomyces griseus 402-2株の線状染色体の中央部には約2.5Mbにわたる逆位が起きている。この逆位の両末端及び親株2247の対応する領域を比較解析した結果、親株は約6kbのトランスポゾンを1コピーもつのに対して、402-2株は2コピーもつことが明らかになった。これらのデータから、親株染色体のトランスポゾンから約2.5Mb離れたところに2番目のコピーが逆向きに転移した中間体が初めに生じた後、2つのトランスポゾン間で相同組み換えが起きて402-2株が生成したことが推定された。
S.violaceoruber JCM4979株は大きさが約35kbずつ異なる390-630kbの一連の線状プラスミドをもつ。これらのプラスミドは、線状プラスミドSCP1(356kb)に環状プラスミドSCP2(31.4kb)が異なるコピー数組み込まれて生じたものと初めは推定されたが、大きさの違いがSCP2のサイズと完全に一致していなかった。最近、Chaterや私たちはSCP1の全塩基配列を決定し、またSCP2の全塩基配列もAltenbuchnerらによって明らかにされた。プラスミドラダー中のSCP1-SCP2接合部の塩基配列とこれらのデータとの比較から、stability regionが欠失したSCP2とトランスポゾンTn5714が隣り合わせで増幅単位となって、異なるコピー数SCP1に挿入されて一連のプラスミドが生成したことが推定された。
2.pSLA2-L上にコードされた二次代謝遺伝子群の機能解析とその応用
S.rochei 7434AN4株の線状プラスミドpSLA2-Lの全塩基配列の決定によって、その上にコードされたランカサイジン生合成遺伝子群の全容が明らかになった。ランカサイジンの生合成は、特異的な17員炭素-炭素骨格の形成と、モジュラー・繰り返し混合ポリケチド生合成が関与しているという2つの特徴をもつ。lkcE(ORF14,amine oxidase)の破壊株が蓄積する代謝中間体を単離し構造解析した結果、これはC2-C18結合をもたない線状中間体であることが明らかになった。完全なlkcE遺伝子をのせたプラスミドを破壊株に導入したところ、この株は線状中間体をランカサイジンにまで変換することができた。これらのデータから、amine oxidaseによってC18アミドがイミドに酸化され、それをC2が求核攻撃して17員環が形成されたことが明らかになった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (5件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Cyclization mechanism for the synthesis of macrocyclic antibiotic lankacidin in Streptomyces rochei2005

    • 著者名/発表者名
      Arakawa, K., Sugino, F., Kodama, K., Ishii, T., Kinashi, H.
    • 雑誌名

      Chemistry and Biology 12

      ページ: 249-256

  • [雑誌論文] ミニレビュー,放線菌の潜在機能研究の新展開,はじめに2004

    • 著者名/発表者名
      木梨陽康
    • 雑誌名

      日本農芸化学会誌 78

      ページ: 1062

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] ミニレビュー,放線菌の潜在機能研究の新展開,放線菌のゲノム構造と生物機能の多様性2004

    • 著者名/発表者名
      木梨陽康
    • 雑誌名

      日本農芸化学会誌 78

      ページ: 1067-1069

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Circularized chromosome with a large palindromic structure in Streptomyces griseus mutants2004

    • 著者名/発表者名
      Uchida, T., Ishihara, N., Zenitani, H., Hiratsu, K., Kinashi, H.
    • 雑誌名

      Journal of Bacteriology 186

      ページ: 3313-3320

  • [雑誌論文] Two chimeric chromosomes of Streptomyces coelicolor A3(2) generated by single crossover of the wild-type chromosome and linear plasmid SCP12004

    • 著者名/発表者名
      Yamasaki, M., Kinashi, H.
    • 雑誌名

      Journal of Bacteriology 186

      ページ: 6553-6559

  • [産業財産権] 遺伝子破壊による抗生物質生産微生物の生産方法およびこれを用いて得られる抗生物質生産微生物、並びに抗生物質代謝中間体の生産方法2005

    • 発明者名
      木梨 陽康, 荒川 賢治
    • 権利者名
      国立大学法人広島大学
    • 産業財産権番号
      特願2005-061184
    • 出願年月日
      2005-03-04

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi