研究課題/領域番号 |
16208011
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
佐藤 文彦 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (10127087)
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研究分担者 |
伊福 健太郎 京都大学, 生命科学研究科, 助手 (50359783)
吉松 嘉代 国立医薬品食品衛生研究所, 筑波薬用植物栽培試験場, 主任研究官 (20184418)
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キーワード | イソキノリンアルカロイド / 生合成酵素 / 転写因子 / 一過的RNAi / 包括的転写制御 / 代謝ネットワーク / 代謝プロファイリ / 代謝工学 |
研究概要 |
1)イソキノリンアルカロイド生合成系において同定されていない鍵酵素、ノルコクラウリン合成酵素(NCS)遺伝子をオウレン細胞から単離し、大腸菌で発現させ、その酵素機能解析を行なった。さらに、得られた情報、ならびに組換えタンパク質に対する抗体を用いて、オウレン細胞粗酵素液におけるNCS活性の解析を行ない、確かに単離遺伝子がNCSとして機能していることを確認した。また、NCSとして報告されたPR10遺伝子の機能についてもオウレンのPR10遺伝子を単離ならびに解析し、NCSとは異なる活性を持つことを明らかとした。2)ハナビシソウ細胞における律速酵素であるノルコクラウリン6-0-メチル化酵素(60MT)の単離と同定を試みた結果、同細胞における60MT酵素反応はこれまで3'-ハイドロキシN-メチルコクラウリン4'-0-メチル化酵素(4'OMT)として推定されていた酵素が4'OMT反応と同時に60MT反応を触媒することによって担われているという予想外の結果が明らかとなり、現在その詳細を解析している。3)オウレンのイソキノリンアルカロイド生合成系に関わる転写制御因子としてWRKY遺伝子とともに、bHLH遺伝子が関与していることをオウレンプロトプラストへの二本鎖RNAの導入による一過的RNAi法により解明した。さらに、これらの転写因子の発現抑制が生合成系遺伝子に及ぼす効果を解析した結果、これらの因子はチロシンからベルベリンに至る全ての生合成遺伝子の発現の制御に関わる一方、チロシン生合成系遺伝子の発現には関わらないことが明らかになった。また、幾つかのアルカロイド生合成系遺伝子の転写領域の単離と解析を進めるとともに、^<15>Nを用いた代謝ネットワークの解析系の開発、ならびに、単離した生合成遺伝子を用いたケシの形質転換を進めた。
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