研究課題
本研究は、気候条件の異なった複数の小流域を対象に、森林伐採などの大規模野外実験を行い、生物多様性と生態系機能との関連のメカニズムを解明するとともに、長期流域観測のモデルケースを創出しようとしたものである。多雪気候下にある雨竜研究林においては、9試験流域を対象に、3流域での森林伐採・1流域で地表処理(ササ植生の除去)を実施し、無施業の対象流域も含めたモニタリングの継続・解析をすすめた。森林伐採により、夏期渇水流量の増加や水温低下が確認された。また、渓流水中の夏期NO3-N濃度は、樹木の伐採だけでは変化せず、地表処理をともなうことによって増加する状況が把握された。渓流中の無脊椎動物群集に対しても、森林伐採や地表処理が、食餌量供給の増大として、多様性や個体数の増加をおよぼす状況も把握された。天塩研究林において実施している「天然林皆伐・カラマツ植裁」による流域試験の成果を加えることにより、森林伐採による渓流流出量の増加やNO3-Nや浮遊砂を中心とした水質への影響と、ササ植生や渓畔林保全などによる緩衝効果が明らかになった。寡雪気候にある苫小牧研究林においても、昨年度に設置した試験地において、モニタリングの継続とデータ解析をすすめた。とくに、野生生物(哺乳類)のモニタリングにおいては、苫小牧研究林・雨竜研究林とにおいて、ネズミの捕獲調査やライトセンサスによるシカの分布調査・赤外線カメラによる中・大型動物の活動量調査を実施し、動物種の相対生息密度の森林変化や気候的相異による影響の解明をすすめた。これらの観測データの一部については、データベース化と公開をすすめることができた。また、これらの試験地を含む研究林は、全てJaLTERに登録されるなど、長期モニタリングサイトとして整備することができた。
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