研究分担者 |
竹中 千里 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (40240808)
服部 重昭 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (30273212)
田中 隆文 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (40192174)
檜山 哲哉 名古屋大学, 地球水循環研究センター, 助教授 (30283451)
井良沢 道也 岩手大学, 農学部, 助教授 (40343024)
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研究概要 |
高山から乗鞍岳山頂にかけての地上気象観測,およびゾンデ観測により盆地地形の気象特性として以下のことが指摘された. ・気温の日内変動は低標高地帯ほど大きくなり,気温逓減率の変動も低標高地帯において大きくなった. ・比湿は高標高地帯ほど低い値を示した. ・また局地循環による山谷風の存在が明確であり,山谷風は標高1000m以下で顕著に認められた.また,ゾンデ観測の結果問わせると,山谷風の厚さは最大で約400mに達すると考えられた. また,山岳霧に関して本年度は放射霧の発生条件に絞って観測結果を解析した.その結果,放射霧発生日には以下の特徴が認められた. ・放射霧発生前日には標高1700m以上で19時頃から急激な低下を示し,標高1500m以下では20時以降比湿の低下が認められた.高標高部での比湿の低い空気が山風によって低標高部へ輸送されたと考えられる. ・放射霧発生時には低標高部での気温低減率の大きな低下が認められ,大気が強い安定状態になっていることが示された. 比湿の低下は霧の発生を抑制すると考えられるが,下向きの長波放射量の減少を引き起こす.このことにより,盆地庭部での放射冷却により気温の低下と大気の安定が加速され,放射霧を発生させるものと推論された. 八幡平の観測では,以下のことが示された. ・温度勾配の逆転は、山の下部のみで発生することが多い。 ・2004年10月15日から31日までに発生した温度勾配の逆転は、沈降性逆転と接地逆転によるものが多かった。今後、1年を通して観測・解析することで、より詳しい温度勾配逆転の機構を理解することが出来ると思われる.
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