研究課題
基盤研究(A)
(1)沖縄トラフに位置する伊平屋北深海熱水孔(深度1000m, 310℃)における微生物の分布・生態調査をDNAクローン解析法と分離法を用いて行なった。とりわけこれまで存在が推測されていたが分離培養が不可能であった微生物について、水素と二酸化炭素を気相に用いた独立栄養性の培地を用いて多くの新規微生物群を分離した。その結果、本深海熱水孔においては一次生産者が光エネルギーに依存しない独立栄養性で微好気性の水素細菌ε-Proteobactreriaであることを発見し、多くの多様な新属種を分離してその性状を明らかにした。(2)超好熱古細菌Thermoproteales目に属する新種株のrRNA遺伝子上に、複数の新型のホーミングエンドヌクレアーゼ遺伝子をコードするイントロンを見出し、発現後新規酵素の機能・耐熱性・基質認識性を詳細に検討した。本酵素群は、およそ20塩基対長の偽回文様配列を認識切断し、遺伝子組み換えやレアカッターとしての応用が期待された。(3)深海熱水孔から分離された超好熱古細菌Aeropyrum caminiを好気的に大量培養して得られた菌体から、各種カラムクロマトグラフィーを用いて耐熱性かつ耐酸素性のヒドロゲナーゼを精製した。本酵素の活性特性を明らかにし、水素ガスの発生を確認した。長崎県橘湾にて分離されたA.pernix TB株はA. caminiの5倍以上ものH2ase総活性を有していることを発見し、それは成熟化機構あるいはそのアミノ酸配列に拠るものであることを明らかにした。
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J. Mol. Biol. 365
ページ: 362-378
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ページ: 1619-1632
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