研究概要 |
1.試験土採取や試験堤施工の対象となるため池として加古川市峠池を選び,管理者や県関係者の許可を得た。 2.峠池の池底泥土を採取し,物理特性を明らかにした。セメント系固化材やベントナイトの混台割合を変えた場合の締固め特性や透水性・強度変形特性の変化を三軸試験装置により明らかにした。この結果,(1)セメント系固化材を80kg/m^3配合した場合の締固め特性や強度変形特性が最も優れ,透水係数も10^<-6>cm/sオーダが得られ,CU強度定数はC'=OkN/m2,φ'=37.8°となり,ランダム材やコア材として利用できる基準にあること,(2)さらにベントナイトを湿潤重量比で5%配合した場合には,透水係数が5×10^<-6>cm/s, CU強度定数はC'=10.5kN/m2,φ'=31.8°となり,さらに優れたコア材の特性が得られることがわかった。 3.堤体内浸透流解析に必要な二次元・軸対称自由水面追跡用FEM浸透流解析プログラムを開発した。現在、三次元解析プログラムの開発中である。これらを用いることにより実験結果との比較考察が可能となる。本年度は、浸透流現象及び浸透破壊現象に及ぼす異方透水係数の効果について理論解析を行った。 4.フィルダム堤体内の浸透流特性および浸透破壊特性を明らかにするための浸透模型試験装置(2Dflow-B400/H1500/W3300×2)を設計・試作した。現在、間隙水圧測定用のピエゾメーター式、水頭負荷装置など実験に必要な装置の製作中である。 5.ゼオライト質凝灰岩に廃セメントスラリーをコーティングした水質浄化濾材について,窒素・リン除去性能および窒素除去メカニズムを実験的に検討した。この結果,(1)本濾材は活性炭よりも優れた窒素・リン除去性能を有し,ほぼ4時間後には富栄養化基準をクリアできること,(2)本濾材のアンモニア態窒素の除去メカニズムは濾材吸着か微生物吸収によること,(3)少なくとも試験機関の5ヶ月以上は水質浄化機能が維持されること,などがわかった。
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