研究概要 |
1. ジオグリッドを用いたため池底泥改良土の大型三軸透水試験を行った結果,粒子移動がない場合には透水特性に対するジオグリッドの影響はほとんどないことがわかった。 2. さらに土粒子移動がある場合のジオグリッドの影響について,大型土槽透水試験装置により検討した結果,ジオグリッドを敷設することにより土粒子移動が起こりにくくなり,ジオグリッドの堤体への活用が期待できると考えられる。 3. ため池洪水吐の振動特性を把握するために,4種類の洪水吐模型(Case A:従来型の鋼板製矩形断面,Case B:PVC(ポリ塩化ビニル)製軽量矩形断面+両壁にジオグリッド,Case C:PVC軽量半円形断面,Case D:Case C+両壁にジオグリッド)の大型振動台模型試験を行った結果を,重量と断面形状,および補強材の有無に着目して検討した。この結果,水平変位に関しては,補強材を用いたCase B, Dが加振中に小さい応答変位および残留変位を示す優位性を示したが,鉛直変位に関しては,Case Bで大きな応答変位,Case Dで大きな残留変位を示すことがわかった。 4. 等価線形化法による3次元FEM動的応答解析の結果,洪水吐材料の違いによって応答変位分布が大きく異なり,PVCのような剛性の小さい材料では曲げによる大きな鉛直応答変位に注意する必要があり,ジオグリッドによる補強効果は院長力によって生じることが解明された。
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