研究分担者 |
樋口 俊郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (10111569)
白樫 了 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (80292754)
杉山 純一 (独)農業食品産業技術総合研究所, 室長(研究職) (20353972)
都 甲洙 日本大学, 生物資源学部, 講師 (40385993)
荒木 徹也 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教 (40420228)
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研究概要 |
平成19年度は,前年度に設計,試作した極低温マイクロスライサ画像処理システム(Cryo-MSIPS)の生体および食品材料への適用性を検討するための基礎研究を実施した結果から,極低温マイクロスライサ画像処理システム(Cryo-MSIPS)の生体および食品材料への適用性は十分あると判断されたが,それと同時に上記システムの問題点もいくつか確認されたため,これらを改善した。具体的には,同システムのスライサ部の制御不安定,顕微鏡観察部の振動,冷却部の-80℃冷却時における冷却面温度の制御不安定,同システムと観察サンプルの接触面における熱伝達のロスといった諸問題を解決するとともに,近赤外カメラによる凍結試料内の内部構造および成分情報の観察に不可欠となる吸光度一光吸収波長の検量線を水および氷の両方についてそれぞれ作成した。その結果,水と氷では吸収波長が異なるとともに,氷についても対象となる生体,食品の種類により吸収波長が異なること,および吸光度と凍結速度の二つの指標が,凍結材料の内部構造パラメータとともに生体・食品の最適凍結プロセスの決定要因であることが示唆された。また,吸収波長1400mm,1450mm,1500mmの3つの条件下でCryo-MSIPSにより撮像された画像をもとに立体像を構築した。以上の結果,当初の基本仕様を満たすCryo-MSIPS開発に成功した。
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