研究課題/領域番号 |
16208027
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐藤 衆介 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (80136796)
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研究分担者 |
瀬尾 哲也 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教 (40301973)
植竹 勝治 麻布大学, 獣医学部, 准教授 (00312083)
安部 直重 玉川大学, 農学部, 教授 (90138602)
深沢 充 畜産草地研究所, 放牧管理研究チーム, 研究員 (70391373)
石崎 宏 畜産草地研究所, 放牧管理研究チーム, 主任研究員 (10370579)
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キーワード | 家畜福祉 / ウシ / 評価法 / エンドルフィン / NK細胞 / γ-INF / 輸送 / 個体差 |
研究概要 |
1.行動変化を指標とした家畜福祉飼育総合評価法の開発 5つの自由に基づいた搾乳牛の福祉レベル評価法を開発した。酪農家で福祉レベルを評価し、さらにその結果と乳牛の生産性、疾病、行動指標との相関関係を明らかにした。この結果を受け、肉用牛に関しても、施設、管理、動物の反応の各評価項目を適切に配置した評価法を開発した。また、放牧牛の逃走距離と、体重測定・採血作業時の作業の困難性および血漿中コルチゾル濃度との正の相関関係を明らかにし、逃走距離は、人に対する反応の評価指標として有効であることを証明した。 2.生理変化を指標とした家畜福祉飼育総合評価法の開発 ニワトリの脳内におけるエンドルフィン(ED)の作用機構について解析した。EDは、ストレスに係わるCRFの分泌調節に関係するメラノコルチンシステムの賦活化抑制に関与した。ホルスタイン種去勢育成牛を福祉レベルの異なる輸送密度下(低密度;3.3m2/頭、高密度;1.5m2/頭、)で2時間の山岳輸送を行ったところ、リンパ球分画中に占めるNK細胞陽性率は輸送により増加し、高密度輸送でより顕著に反応した。また、ConA刺激した全血培養上清中のγ-IFN産生量は輸送により低下し、その反応は高密度輸送で顕著であった。以上より、これらは家畜福祉評価に有用な免疫指標と考えられた。 3.家畜福祉輸送総合評価法の開発 商業的に長距離輸送される子牛並びに屠畜場へ輸送される肉用牛で、行動・生理・生産指標に基づくストレス評価を行った。商業的長距離輸送では、我が国の一般的な収容面積では、特に夏季に牛に対するストレス強度が高まることが確認された。ストレス反応は個体差があることから、飼養環境からのストレス指標の一つである舌遊び行動とと畜後の内臓疾患発生との関係を調査し、舌遊び発生個体における内臓疾患発生率の高さを明らかにした。
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