研究課題
基盤研究(A)
インドネシア熱帯泥炭林荒廃地の滅菌現地土壤(ペースト状の木質泥炭)におけるX.comp1anataの種子発芽はPenicillium属糸状菌Y-1株によってのみ強力に促進されたが、発芽種子は子葉の伸長以降は成長できず、1ヶ月後には真菌がまとわりついた様に立ち枯れて死に絶えてしまった。とこ芽種子は極めて良好な生育を6ヶ月以上持続したため、土壌生/種子付着性真菌のX.comp1anata発芽ステージでの発芽亢進機能とそれに引き続く土壌細菌のX.comp1anata芽生え生育ほう助機能とが明確に分担されていることが強く示唆された。シベリア永久凍土のタイガ林林床土壌では、低栄養要求性の単生窒素固定性Burkholderia属ならびにPseudomonas属細菌が主要な菌相をなし、細菌群集は0.02〜O.05%のマンニトールで十分に1%炭素源以上のアセチレン還元活性を示すことが分かった。また、表層に近い腐植成分を多く含む層から得た土壌微生物群集の窒素固定能力は10〜15℃で最大限に発揮されること、中一アルカリ性(pH 6.0以上)では極端に抑えられ、弱酸性(pH 5.0付近)では極めて高い能力が発揮されることから、現地負荷環境条件の再現が当該微生物コンソーシアムの機能性を最大限に発揮させると結論付けた。2000年に噴火した有珠山の火山性荒廃地における先駆性植物の外生菌根(ECM)およびアーバスキュラー菌根(AM)共生について調査した。荒廃地に優占的に更新するヤナギ類3種、ドロノキ(Populusmaximowiczii)、エゾノバッコヤナギ(Salix hultenii var. angustifolia)およびオノエヤナギ(Salix sachalinensis)は定常的にECMを形成しており、全体での外生菌根形成率は、17〜42%であった。草本ではスギナとオオイタドリ以外の10種は全てAMを形成していた。植生再生の初期過程においては、菌根共生が植生再生と根圏土壌環境負荷緩和に先駆的役割を果たしていることが示された。
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