研究課題
昨年度、血小板成長因子(PDGF)に対する血管平滑筋の遊走を調べると、非(脱)リン酸化のままでPDGFに対して遊走することがわかった。この遊走はミオシン特異的阻害薬ブレビスタチンで阻害された。本年度はミオシンを変性させずに精製して、このATPase活性に対する阻害作用を調べた。非リン酸化のミオシンの阻害作用は遊走の阻害を説明できる濃度であった。これまでの発表では、ミオシンに対するブレビスタチンの作用は大変弱いとされていたが、我々はこの問題を解決した。このミオシンは頭部の構造に著しい変化が見つけられた。本年度は、さらにこれまでに見つかったアラキドン酸(AA)のミオシンATPase促進効果について検討した。AAは非リン酸化ミオシンでのATPaseを増強するが、二重結合の内8,9が重要であることがわかった。Transient kineticsではミオシン頭部が重要で、ATPが分解されたのちPiの放出が促進されることを明らかにした。さらに生理的AA作用を検出するため、血管平滑筋細胞の収縮と遊走に対するAAの作用も調べ、いくつかの細胞内情報伝達系の阻害剤を与えると、GPCRの系列が関与することが明らかになった。小浜は研究代表者として全体の統一を図るほかに、細胞培養を行った。中村は各種蛋白質を発現させるが、石川は発現蛋白質を精製し、ミオシンのATPase活性を測定する。田中はミオシンをはじめとして関係する蛋白質の分子形態を調べた。
すべて 2005
すべて 雑誌論文 (5件) 産業財産権 (1件)
Biochem.Biophys.Res.Commun. 328
ページ: 838-844
Cell Structure and Function 29
ページ: 159-164
Biochem.Biophys.Res.Commun. 332
ページ: 756-762
Journal of Biol.Chem. 50
ページ: 41458-41464
Arteroscler.Thromb.Vasc.Biol. 25
ページ: 1896-1803